【2026年をどう占いますか?】 答える人 フューチャー会長兼社長・金丸恭文

規制改革で民間投資をもっと呼び込めるような環境づくりを

 ─ フューチャー会長兼社長の金丸恭文さんは、高市政権をどのように評価していますか。

 金丸 高市総理は相当頑張っていると思いますし、神戸大学軽音楽部の後輩ということもあって期待しています。

 ただ、「強い経済をつくる」というのは、歴代の総理が何十年も言い続けてきたことです。実現するには、まず誰がどのようにつくるかという役割分担が不可欠です。政府と民間それぞれにやるべきことがあり、民間の中でも組織と個人の役割は異なります。政府には個人をいかに成長させられるかという視点を持って欲しいと思います。

 これまで日本では良い大学に入り、有名企業に就職することが良しとされてきました。それで国が成長したかといえば、先進国の中では賃金も上がらず、GDPもあまり伸びていない。

 これは個人や企業、政府の挑戦が質量とも不十分だった結果にほかなりません。リスクをとらなければ、当然リターンも少ない。リスクテイクをしないことは、日本社会の大きな課題だと思います。

 ─ 金丸さんは長く規制改革を訴えてきましたが、日本再生には何が必要だと考えていますか。

 金丸 様々な事業分野の既存のプレイヤーには、今まで以上に頑張っていただきたいと思います。一方で、新しいアイデアを社会実装しようとする企業や個人が新しいビジネスを始めようとしたときに、旧来の法制度や規制がその妨げになるのを阻止したい、不健全な競争環境を変えたいという思いで、政府の規制改革に取り組んできました。

 例えば、民泊やライドシェアなどのサービスは、世界では当たり前になっています。私はパリ五輪を見に現地へ行きましたが、民泊仲介大手のエアビーアンドビーが最上位スポンサーになっていました。新しいビジネスモデルの企業が、社会のど真ん中にあるのです。日本とは全然違うと実感しました。

 ─ 劇的に変わっていると。

 金丸 ええ。ライドシェアにしても、パリではオンラインタクシーとプラットフォーマーによるライドシェアが共存していて、利用者が選ぶことができます。

様々な場面で選択肢が増えることで、個人の生産性や利便性がアップしていると思います。

 いつまでも古い制度を維持することは、企業や個人の動きに縛りをかけるだけです。高市総理もおっしゃっていますが、日本人の潜在能力は高い。もっと自由に新しい知恵やアイデアを試し、フェアな競争ができる社会構造に変えていくことが、成長戦略には必要です。

 政府には税制改革も含め、誰もが活躍しやすく、民間投資をもっと呼び込めるような制度設計と環境づくりを実現して欲しいと思っています。

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