
リスクをとって新たな投資を!
─ 国際社会経済研究所理事長の藤沢久美さん、高市政権が発足したわけですが、26年の日本経済をどう占いますか。
藤沢 これまで日本は〝失われた30年〟と言われてきましたが、私は、26年はいろいろなものが大きく動く年になると思います。このまま黙っているだけではじり貧だということを、企業の皆さんが本気で感じるようになって、ようやく心の底から、このままではいけない、自分たちでリスクをとって動かなければならないという覚悟を決めたように思います。
これまでの政権は企業努力への期待や環境の整備など、政府自身がリスクをとりに行くという姿勢は見られませんでしたが、高市さんが総理になり、国を挙げて投資をしますと先頭に立つ覚悟が見えます。
AIや防衛、宇宙など、重点投資分野を定めて、国がこれから中長期的に成長するための土台となるインフラに国が投資しますと。今までのように「企業は頑張ってね」というのではなく、「政府に一緒になってやるから」というメッセージがあるように思います。
─ 政府もリスクをとって。
藤沢 政府がリスクをとる以上、企業も本気になって頑張らないといけない。そういう企業のメンタリティに高市さんが火をつけたような気がしていて、それがいろいろな形で動き出すのではないかと思っています。
日本にはもともと技術がありますし、初等教育は世界一ですから人材のレベルも低くない。ですから、マインドが変わって、日本が一つになって新しい投資を始め、中長期的な目線を持って機能していくことができたら、26年は本当に素晴らしい年になると思いますね。
─ 日本に潜在力はあるということですね。
藤沢 ええ。ただ、大企業はこうした危機感を感じるんですが、私は逆にスタートアップが気がかりです。
今はインターネットやAIを使って簡単に起業して上場できるような時代ではなくなり、本当に社会や企業のインフラになるような事業を立ち上げなければならなくなってきた。そういうタイミングにおいて、短期的な視点だけの起業家や小さな予算しかないスタートアップでは通用しない時代になっています。
その点、私が面白いなと思うのは、大企業を経験した若者が10年くらいかけて、古巣を含めた大企業との連携も取りながら、しっかりとインフラをつくっている人が増えている。大企業では5年、10年も待っていられないような事業でも、スタートアップなら挑戦できますから。
その意味で、今後は大企業とスタートアップの連携も今まで以上に進んでいくのではないかと思います。