米Uberは、自社サービス専用自動運転タクシーの量産型車両を、ラスベガスで開催された「CES 2026」で初公開した。“ロボタクシー”と呼ばれるこの車両はUberとLucid、Nuroの3社で共同開発しており、2025年12月からサンフランシスコ・ベイエリアにて公道走行テストを開始。2026年後半には同エリアでのサービスインを予定している。
車両は、モビリティ関連の展示が集まるラスベガスコンベンションセンター(LVCC)のウェストホールではなく、隣接するホテルに新たに登場した「CES Foundry」会場のNVIDIA展示エリア内にて公開された。
「CES Foundry」の会期は1月7〜8日の2日間のみ。NVIDIAの技術を応用したモビリティやロボティクス、AI 量子コンピューターなどの分野に関わる企業やスタートアップが集まるなかでのお披露目となった。ブースでは、車体に使われている「NVIDIA DRIVE AGX Thor Developer Kit」もあわせて展示されており、来場者の関心を集めていた。
ドライバーレスならではの“高級感ある乗り心地”を演出
Uberのロボタクシーは、米電気自動車メーカーのLucid Groupが開発する電動SUV「Lucid Gravity」をベースにしている。
高解像度カメラ、ソリッドステート型LiDAR、レーダーを組み合わせた次世代センサーアレイを搭載し、360度を認識可能。センサーの視認性を最大化するために設計された、専用ルーフ搭載型の「Halo」(ハロー)には、LED(ハロー・ディスプレイ)を内蔵しており、乗客のイニシャルを送迎時に表示したり、自分の車両を識別したりするほか、乗車から降車までのステータスをわかりやすく表示する。
車内は3列シート、7人乗りで、最大6人の乗客を運べる。荷物スペースも大きい。広々としたラグジュアリー感ある車内全体のUX(ユーザー体験)設計は、Uberが担当している。ドライバー席のディスプレイは見やすく、後部座席にも音楽プレーヤー機能付きの小型ディスプレイを設置しており、ドライバーレスならではのプライベート感やハイレベルの乗り心地を演出しているように感じる。
車両に搭載している自動運転システム「Nuro Driver」は、フィジカルAI企業の米Nuroが開発・管理し、2026年後半にLucidのアリゾナ工場で生産開始。100台以上を使ったテストフリート(複数台による試験走行)が行われる予定だ。
会場で説明を担当していたNUROのスタッフは、「私たちの自動運転技術はあらゆるモビリティに搭載できる。高度なコンピューティング技術により安全で快適なドライビングが実現でき、ロボタクシーによる移動を楽しめる車両になったのではないか」と話していた。
もはや当たり前になるロボタクシー
今回の車両公開は、Uberら3社が次世代自律型ロボタクシープログラムで提携することを2025年7月に発表してから、順調に計画が進められていることを印象付けている。
Uberは今後6年間で2万台以上のLucid車両をグローバルに投入することをめざしている。車両はUberまたはそのパートナーが所有・運営し、Uberプラットフォームを通じてのみ提供されるという。
会期前に行われた3社の関係者が集まるレセプションには、Uberのグローバル自動運転モビリティ&デリバリー事業責任者 Sarfraz Maredia氏、LucidのADAS・自動運転担当バイスプレジデント Kay Stepper氏、Nuro 共同創業者兼Co-CEO Dave Ferguson氏が登壇し、本格的なロボタクシーサービス開始に向けていよいよ動き出したことを祝っていた。
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Uber グローバル自動運転モビリティ&デリバリー事業責任者 Sarfraz Maredia氏(写真左)、Lucid ADAS・自動運転担当バイスプレジデント Kay Stepper氏(写真中央)、Nuro 共同創業者兼Co-CEO Dave Ferguson氏(写真右)
米国ではすでにドライバーレスのロボタクシーによる複数のサービスが開始されており、Uberが進出予定のベイエリアでは、先行するWaymoが2024年からサービスを始めている。そのときにはテスト開始の2021年から3年ほど時間を費やしていたが、すでに下地があることから、Uberがテストから1年以内にサービスを開始できる可能性は高い。
筆者はWaymoに乗車したことがあるが、Waymoは目的地へ適切に移動することを重視しているのに対し、Uberはより移動を楽しめるラグジュアリーなサービスで他社との違いを出し、ロボタクシーの価値を高めようとしているように感じられた。
従来のライドシェアとの関係について、UberのMaredia氏は「ユーザーがサービスを利用するときに、目的地へドライバー(が運転する車両)か、ロボタクシーかが選べる。価格は当面同じにする予定だが、それらも含めてこれから考えていきたい」とコメントしている。
ますます当たり前になるロボタクシーは、日本でも2026年内のサービス開始が予定されている。さまざまなタイプの車両が走り回るようになる日が来るのが待ち遠しい。







