
AI時代に求められる 判断力、行動力、人間力
─ GMOインターネットグループグループ代表の熊谷正寿さん、近年、生成AIに注力する理由は何ですか。
熊谷 私は、過去の産業革命は55年周期で進展してきたと思っています。現在のインターネット革命が始まったのは「Windows95」が発売された1995年ですが、その折り返し点となる27.5年後の2022年に登場したのが、米オープンAI社の「ChatGPT」です。
当初、私は生成AIを楽しんで使っていました。生成AIは間違いなく、インターネット革命後半の主役になると確信しました。ところが、いつの日からか、ワクワク感というよりも、このままAIだけが進化していくと危ないぞという危機感に変わっていきました。グループ全体で生成AIを使いこなしていかないと、恐らく会社は沈没していくのではないか、という危機感です。
そこで当社は生成AIを活用し、時間やコストを節約する。お客様の顧客体験を良くする。そして、インターネットのサービスインフラをつくるという、当社のミッションを実現すべく、生成AIが世の中に広がるためのサービスを提供するという3つを当社の指針としました。
─ 実際、会社の生産性向上に生成AIが寄与していると言っていいですか。
熊谷 はい。間違いなく、質と生産性、両方の向上につながっていると思います。
ただ、成果が出ていることは間違いないですが、まだまだ不十分だとも思っています。なぜなら、前述した通り、歴史的に生成AI革命全体を振り返ったら、現在は27.5年間のまだ序章に過ぎません。特に最近ではAIが自律的に作業をこなす「AIエージェント」の活用が必須になっています。
そこで当社では『AIエージェント活用・一騎当千プロジェクト』というのを立ち上げまして、AIエージェント活用の指針を明確にし、組織全体のAI活用レベルを向上させていく。そして、当社が日本で最もハイパーオートメーション(ビジネスプロセス全体を自動化すること)化された企業グループになることを目指しています。
─ そうなると、AIと人間の関係はどう考えますか。
熊谷 基本的に、機械に任せられるところはAIやロボットに任せ、人間はきちんとハイパーオートメーション化された人間にならなければならない。人間はAIが出してきた様々な情報を自ら選択して決める「判断力」や、決めたことを最後まで諦めずにやり通す「行動力」が求められます。そして、大事なことはAIが持ちえない「人間力」が必要だと思っています。