
誕生10周年を迎えたバッグ
生活の主役ではないが、脇役としてお客様の暮らしを少しでもよりよいものに――。1872年、刷毛(はけ)、ブラシの専門メーカーとして出発した当社は時代の変化に合わせて製品ラインナップを拡大してきました。今ではキッチン用品や清掃用品、ショッピングバッグといった生活雑貨メーカーとして日々の暮らしに寄り添った製品群を展開しています。
中でも2025年11月に誕生10周年を迎えたバッグ「Shupatto(シュパット)」は日本のお客様はもちろん、海外のお客様にも好評です。エコバッグとして使用されるケースが多いのですが、「たたむのが面倒」「付属の袋にきちんと入らない」といった従来のポータブルバッグに対する潜在的な不満を解消するために開発しました。
入社1年目の女性社員が研修で物流センターに行ったときに被った使い捨ての帽子から着想を得て、約2年の試行錯誤の末に生み出しました。両端を引っ張るだけで一気にたためてコンパクトになる他にはない製品です。その後、ラインナップを拡充し、シリーズ累計の販売数は1700万個を突破しました。
そもそも当社にはブラシ専業メーカー時代からの思想があります。それは「ブラシのように自分が汚れても、相手を綺麗にする」という信念です。1998年発売のキッチンスポンジ「おさかなスポンジ」は、その代表例。当社は黒子として皆さんの暮らしに少しでも便利さや楽しさといった付加価値を提供できるように試行錯誤してきました。
魔の4年間を乗り切って
私は2024年に4代目社長の父から経営のバトンを受け継ぎました。大学卒業後に他業界で3年間働いてから11年に営業担当として入社しましたが、16年に開発の責任者になるまでは何を市場に投入しても売れない”魔の4年間”も経験しました。
年間に開発する製品数を減らしながらも、先ほどの信念を曲げることなく、暮らしの不満を解消する使い心地がよく、佇まいも美しい製品づくりにこだわりました。結果、「極しゃもじ 冷凍ごはん容器」「調味料ポット」「ほうき ちりとり」などのヒット製品が生まれ、最近ではベルトがない閉じる傘「シュパット アンブレラ」といった製品も生まれています。
皆様が無意識に諦めている不便や不満を解消するようなものづくりこそ、当社の得意領域でもあります。150年以上の歴史の重みを踏まえながら、200年企業を目指していきます。
Profile
なごや・ごう
1983年東京都生まれ。学習院大学経済学部卒業後、米国ニューヨークへ留学。帰国後、発電プラント輸出商社で勤務し、2011年マーナ入社。13年取締役、16年開発部門統括責任者、18年専務取締役などを経て、24年から現職。