【2026年をどう占いますか?】 答える人 東日本旅客鉄道(JR東日本)・喜㔟陽一

都心・地方で進める街づくり Suicaは生活デバイスに

 ─ モノの動きについての長尾さんの見解でした。一方で東日本旅客鉄道(JR東日本)社長の喜㔟陽一さんから見た鉄道業界の25年の振り返りと26年の見通しとは。

 喜㔟 当社は25年上半期の業績を踏まえ、通期の業績予想を上方修正しましたが、その大きな要因は新幹線を中心に鉄道利用が期初の想定を大きく上回ったことです。インバウンド需要もありますが、特に観光のお客様が増えました。まだ大きな手応えはありませんが、出社回帰による定期券購入や出張需要も増えていますので、26年度も引き続き堅調に続いていくだろうと見ています。

 ─ その中で25年に「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」が街びらきしましたね。

 喜㔟 25年3月に駅前のツインタワーが先行開業し、残りの3棟が26年3月28日に開業予定です。この街のコンセプトは「100年先の心豊かなくらしのための実験場」です。

 100年先の未来を見据えて、この街に集う国内外の共創パートナーと新しい価値を生み出していこうと。スタートアップのメンバーシップも当初予想を超えて増え続けており、共創をサポートする地球益ファンドも当初の倍の100億円規模になりました。

 ─ 収益面でもインパクトはあるのですか。

 喜㔟 30年にグループ収益570億円を目標に掲げていますが、延床面積の約4割を占めるオフィスゾーンのリーシングは、3月のグランドオープン時には9割程度の成約見込みで非常に順調です。

 ─ 一方で地方創生には、どう取り組んでいきますか。

 喜㔟 当社グループの成長の基盤は東京圏のさらなる活性化とともに、エリア内の各地域の両方にあると考えます。今、地方駅ビルの改築に取り組んでおり、青森駅ではウェルビーイングをコンセプトとした地元事業者の方に入居いただきました。

 新潟駅では高架化により創出されたスペースに約200店舗のショッピングモールが完成しました。列車荷物輸送「はこビュン」は生産者と大消費地をつなぎます。春には座席を撤去した専用車両が登場しますし、海外マーケットも視野に入れます。「ご当地 Suica」は地域の不便や負担を解消します。

 ─ 地方活性化に結び付く取り組みが続きますね。AI時代にあって、いま話に出たICカード乗車券「 Suica」はどう進化しますか。

 喜㔟 タッチ不要のウォークスルーに続き、コード決済の導入により30万円までの高額決済が可能になりますし、ビューカードとの連携で事前チャージも不要となります。さらに機能拡大し、 Suicaを「生活のデバイス」に進化させます。

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