2026年の年頭にあたり、フォーティネットジャパン 社長執行役員 与沢和紀氏は年頭所感として、以下を発表した。

産業化したサイバー空間におけるマシン・スピードの攻防を制する

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年はフォーティネット創業25周年を迎えた節目の年となりました。これまでの強力なご支援とご愛顧に改めて厚く御礼申し上げますとともに、本年も変わらぬ皆様のご健勝と益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

昨年は、皆様がDXやAIプロジェクトを推進、積極的に展開される中、脅威状況も大きな変化を見せた年でした。 AIと自動化を取り入れた攻撃手法が本格的に広がり、サイバー犯罪が「効率・分業・自動化・収益モデル」を備えた産業システムとして機能し始めました。攻撃が高速化し、偵察から侵入、横展開、データ収益化に至る一連のプロセスを極めて短時間で完了させています。OTや重要インフラ、IoTデバイスを狙う攻撃も世界的に拡大し、クラウド環境を標的とした高度な攻撃も確認されました。こうした「高速化・自動化・大規模化」の傾向は、2026年に一層加速すると予測されています。

では、2026年、私たちはどのような脅威に備えるべきでしょうか。 最新の FortiGuard Labsの分析を踏まえ、特に留意しておくべき5つの動きを紹介したいと思います。

(1)攻撃の主役はAIエージェントへ

2026年は、攻撃チェーンの大部分を自律的に実行する「AIエージェント」が広く利用されるようになります。これらは、認証情報窃取、横展開、データ分析、カスタマイズされた恐喝メッセージ生成などを、人手を介すことなく実行し、攻撃者の能力を飛躍的に拡張します。

(2)攻撃者の“速度”が防御側の最大リスクに

攻撃者は新手法を生み出すことよりも、「どれだけ高速に攻撃を回せるか(スループット)」を重視しています。数十件の攻撃を同時並行で展開し、数分単位で成果を上げる手法が現実化しています。

(3)OT・重要インフラが高収益モデルとして標的に

OTや産業インフラを狙う攻撃は、データ窃取・停止・恐喝が一体化した“複合型攻撃”へと進化しています。RaaS(Ransomware as a Service)がOTまで拡大し、標的企業単独でなく、サプライチェーンを包含する広範な影響が予測されます。

(4)破壊的攻撃の商用化

ファームウェア破壊やデバイス無力化など、かつて国家レベルの攻撃で見られた手法が、金銭目的のサイバー犯罪でも使用され始めています。

(5)防御側も“Machine-Speed Defense”への転換が必須

このように高速高頻度化する攻撃にも瞬時に対応し、組織や顧客、取引先の大切な資産を守るためには、NDR(Network Detection and Response)、EDR(Endpoint Detection and Response)、CNAPP(Cloud-Native Application Protection Platform)、CTEM(Continuous Threat Exposure Management)、SOAR(Security Orchestration, Automation and Response)などの防御手法を統合し、かつその運用を自動化して防御側も高速化することが必須の要件になります。特に、人間だけでなくAIプロセスや自動化エージェントを含む“非人間アイデンティティ”の保護が、最大の課題になるでしょう。

こうして本年は、AIと自動化がサイバー空間の構造を根本から変え、これまで以上に高速化・複雑化した脅威が、ビジネスモデルとしての「産業化」の様相を一層濃くしていくことが予想されます。

2026年もフォーティネットは、日本の企業、組織がこうした未知の脅威と対峙しつつ重要な顧客、資産、従業員を守り、ビジネスを安心して強化、発展できるよう、強固な防御体制の構築に向け全力で支援してまいります。

まず世界最大規模のサイバーセキュリティ企業として、セキュリティ専用ASIC、運用管理を一元的に実現可能な統合プラットフォーム、SASE/SD-WANのリーダーシップ、AIを活用した高度かつ迅速・自動なセキュリティオペレーションなどを、引き続き世界最高レベルの技術とサービスで提供してまいります。

日本企業・組織のための研究開発/品質保証体制も強化します。フォーティネットは、グローバルのサイバーセキュリティ企業としては珍しく、日本国内に研究開発・品質保証拠点を設置し、600名を超えるチームが活動しています。国内データセンターを運営し、日本固有の法規制や運用文化に即した品質提供に取り組んでいます。また本年1月に実施予定の、これまで協業体制にあったアラクサラネットワークス株式会社との完全統合も、その一環として体現するものであり、FortiSwitch-AX600Fシリーズ、FortiSwitch-AX9000Gシリーズの開発・提供は、「ネットワークとセキュリティの融合」を象徴する取り組みです。

社会との協働も重視しています。国際的な犯罪対策組織Crime Stoppers Internationalとの連携や、INTERPOLの取り組みへの参加など、サイバー犯罪の抑止を目的とした国際協働も継続してまいります。

さらに、社会への還元も推進していきます。その1つとして昨年日本で開催したのが、スポーツとテクノロジーを融合した取り組みである「フォーティネット プレーヤーズカップ 2025」です。この大会を通じて、デジタル技術の安全性とスポーツの持つ創造性・多様性が共存する未来を支持し、広く社会貢献できたことを嬉しく思います。本年も、こうした活動を通じた社会的価値の創出に努めてまいります。

フォーティネットジャパンは、最新の脅威分析と統合プラットフォームを基盤に、お客様と社会を守り抜くための取り組みを一層強化してまいります。

本年も変わらぬご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。