
銀行の預貯金の利子に課す個人住民税の「利子割」の見直しが、与党の2026年度税制改正大綱に盛り込まれる見通しとなった。総務省の地方財政審議会は、東京都に集中している税収を都道府県間で調整する仕組み「清算制度」の導入を提言。都に本店を置くインターネット銀行の増加で、納税義務者の住所地と納税先が一致しない状況が生じているとして、是正を訴えた。
利子割は、預貯金の利子に対し都道府県が税率5%で課税する。金融機関が利子から天引きして徴収し、口座がある都道府県に納める。制度創設当時は、預金者の住所地と預金の口座所在地はおおむね一致するとの考えがあったためだ。
しかし、本店以外の営業所を持たないネット銀行が増加。多くが本店を置く都に都民以外の利子割が集まる構造となっている。23年度決算での利子割による全国の税収は222億円。このうち約105億円が都に納められた。22年度以降、利子割の税収に占める都のシェアは40%を超える状況が続く。与党の26年度税制改正議論で対応策が打ち出される見通しだ。
これに対し、都は反発。地方財政審議会の検討会で示された預金者の住所地と税収の帰属先が乖離しているとのデータについて「サンプル数が少なく正確性に疑義がある」と主張。「拙速な対応は行うべきでない」と求めた。
ただ、地方財政審議会の報告書によると、地方税全体に占める都の税収は17.6%。税目別では、都のシェアは地方法人2税では22.5%、固定資産税では25.1%となっている。
人口減少が進む一方で、東京一極集中には歯止めがかからず、東京と地方で財政力の格差は拡大。報告書は、都が独自施策に充てられる財源は他道府県の3.6倍に上ると指摘し、税収の偏在是正を求めている。
利子割の見直しを皮切りに、地方税の他の税目についても政府・与党内で今後、具体的に議論される可能性がありそうだ。