日立製作所は12月25日、同社が提供する従量課金型クラウドサービス「ComiComiCloud/マルチテナントサービス」のアプリケーションとして、「MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso) by ComiComiCloud」(以下「新サービス」)の提供を2026年4月より開始することを発表した。
MESによるデータ収集&活用でLumada 3.0拡大へ
製造業の現場では近年、競争力の強化に向けてDXが加速しているものの、IT人材の不足や高額なIT投資への制約により、未だに紙やExcelを介した管理を続けている例も少なくない。こうした作業状況が可視化されない現場では、日々の業務が熟練者の経験や勘、担当者間のコミュニケーションによって成り立っていることが多く、作業が属人化しているケースが多いという。
しかし持続可能な事業活動の観点から、変化が著しい現代の市場環境で事業成長を遂げるためには、作業の標準化や製造・在庫状況の見える化、製品トレーサビリティが不可欠となる。そこで有効な一手として期待されているのが、製造・在庫状況のリアルタイム管理、作業標準化、品質維持・不良品発生の未然防止、製品トレーサビリティの確保に貢献し生産性を向上させる“MES”だ。そして今般日立は、製造業や流通業をはじめとするさまざまな顧客に向けて2013年より提供を続けている、顧客のITインフラを運用管理するクラウドサービスのComiComiCloudにおいて、MES導入テンプレートの開発を決定。OTとITの強みを組み合わせ、MESの導入を支援する新サービスの提供開始に至ったとする。
日立では自社工場において、ダッソー・システムズが提供する包括的な製造オペレーション管理(MOM)ソリューションの「DELMIA Apriso」を導入し、グローバル規模の複数生産拠点の製造管理を実現してきたとのこと。また顧客へのMES導入の実績・ノウハウも蓄積しているという。そして新サービスでは、これまで日立がディスクリート、プロセス産業における顧客のDXを通して培ったMESのノウハウをもとに、原材料・部品の受け入れ、製造、検査、完成品出荷などといった工場における一連の業務の実行管理を標準化した“MES構築支援テンプレート”を、日立のITインフラ環境とともにクラウドサービスで提供するとしている。
同社は新サービスの特徴として、ComiComiCloud基盤上での導入テンプレート提供によるMES構築期間の短縮や導入費用の削減を筆頭に、一連の業務の作業実績の一元管理や、日立がインフラ基盤の監視などの維持運用を行うことによる顧客側でのシステム保守・運用負荷の削減、DELMIA Aprisoの機能追加をはじめとする高い機能拡張性を挙げる。
日立は、こうした特徴を有する新サービスの活用により、システム設計開発期間を短縮しシステム導入のハードルを引き下げるとともに、MESの本格導入に限らず、将来に向けた短期トライアルやPoCとしての利用も後押しするとした。そして同社のコネクティブインダストリーズセクターとしては、新サービスを通じ導入されたMESで収集・蓄積されたデータにドメインナレッジと先進AIを組み合わせた「HMAX Industry」を成長産業として水平展開する「Integrated Industry Automation」に注力し、フロントラインワーカーの現場を革新するとしている。
