デル・テクノロジーズは12月2日、「Dell Technologies Insights Japan 2025」の調査結果を発表した。この調査は、急速に進化するデジタル環境の中、日本の組織がどのようにイノベーション、AI / 生成AIの採用、サステナビリティ、セキュリティに取り組んでいるかを質問しており、さらにグローバルの平均と比較した。
「Dell Technologies Insights Japan 2025」調査は、北米、中南米、ヨーロッパ、中東、アフリカ地域、アジア太平洋(APJC)地域の2850人を対象に実施しており、日本では150人が回答した。
AI投資のROI実感に大きな差が
「AIにより大幅なROI(Return On Investment:投資利益率)や生産性向上を実感している」と回答した企業は、日本では57%だった。グローバルでは82%に達しており、25ポイントの差が生じていた。
AI活用による平均期待投資収益率は、日本が31.7%、グローバルで32.1%と同程度であるにもかかわらず、その実感には大きな乖離が見られる結果となった。
AI / 生成AIの戦略的位置付けに遅れ
AIや生成AIが自社のビジネス戦略の重要な要素に位置付けられていると回答した日本企業は59%。グローバル平均の80%と比較して、21ポイントの差が開いた。同様に、イノベーションを戦略の重要部分とした日本企業は74%で、グローバル平均の86%を12ポイント下回った。
生成AI導入の成熟度に格差
生成AIの導入においては、日本企業の61%が「初期から中期段階」にとどまっており、これはグローバルの49%よりも12ポイント高い結果に。一方、「確立段階」に達している企業は日本で18%、グローバルで16%とほぼ同水準だった。
この結果から、日本の先行企業はグローバルと同レベルでAI活用を進めているものの、初期から中期の段階層の企業は次の段階にいたるまでに慎重なアプローチをしていることがうかがえる。
エージェンティックAIへの期待に差
エージェンティックAIを活用する大きな機会があると回答した日本企業は67%。これはグローバル平均の83%と比べて16ポイント低く、新たなAI技術への期待には差が見られた。
変化への対応に苦慮する日本企業
日本企業の59%が、「業界の変化のペースについていけない」と回答。この結果はグローバル平均の48%よりも11ポイント高かった。さらに、「今後3~5年が自社の業界にもたらす影響について不安に感じている」と回答した日本企業は62%、グローバル平均は51%で、こちらも11ポイントの差が見られた。
イノベーション、AI、セキュリティの共通課題は?
イノベーション、AI / 生成AI、セキュリティの分野における課題として、技術パートナーの選定とスキル不足が共通して挙げられた。特にAI / 生成AI分野では、40%がスキル不足を最大の課題と回答し、84%が従業員にAI関連スキルが必要だと認識していることが明らかになった。
AIで必要なスキルの上位には、プロンプト設計(41%)、AIイノベーションのためのクリエイティビティ(39%)、データサイエンス / 機械学習(37%)、ビジネスプロセスの理解(37%)が挙げられた。また、62%が自社の従業員はセキュアな生成AIの実装について理解していないと回答した。
AI向けのデータの準備が障壁になっている
85%の企業がAIのためのデータ準備の課題に直面していることが明らかになった。主な課題として、専門知識の不足(34%)、データプライバシー / セキュリティ(32%)、データの可用性、透明性、追跡機能の制限(30%)、インフラストラクチャとの統合(30%)が挙げられた。
生成AI成熟度の急速な成長
生成AIの成熟度については、2024年にわずか4%だった「確立段階」の企業が2025年には18%と、前年比で4.5倍に増加しました。AI導入における戦略上の優先アプローチには、ハイブリッドモデル構築(43%)が最も選択され、続いてパブリッククラウドのGPUaaS(38%)、既存モデルを自社環境で自社のデータを使って再学習または拡張(37%)となっている。
ストレージ拡張が重要な課題
98%の企業がストレージ容量の拡張の課題に直面すると予測した。ストレージの投資を妨げる主な要因は高コスト(48%)だった。また、アップグレードの優先順位は処理能力(54%)、データセキュリティの強化(46%)なども挙げられた。
サステナビリティにおけるAIの役割
日本企業の79%が、AIはサステナビリティに極めて重要と回答。89%がサステナビリティはイノベーション戦略に不可欠だと回答した。サステナビリティ戦略の具体的な優先事項は、エネルギー効率の向上と消費電力の削減(22%)、規制報告(19%)、再生可能エネルギー(14%)、CO2排出量削減(13%)が挙げられた。