ディー・エヌ・エー(DeNA)の子会社であるDeNA AI Link(DAL)は11月28日、「AI社長」を提供するTHAとの間で、エンタープライズ向けAIサービス「リーダーズAI」の共同開発および提供に向けた基本合意書を締結したことを発表した。
「リーダーズAI」は2026年春より提供予定
昨今では多くの企業が生成AIの導入を進める一方、現場での利用が思うように進まない場合や、出力される回答が社内の文脈に合わないケース、あるいは平準化された回答になりがちで実務利用には試行錯誤が必要とされるなど、さまざまな課題が残されている。
DeNAは、生成AIが真に組織の生産性を高めるには、単なる情報検索や文章生成を越え、“自社の戦略や文化背景を踏まえた判断”や“自社ならではの視点”を提供することが不可欠だとする。また特に大手企業では、企業理念・中長期戦略・組織文化などの全社レベルの指針と、事業・部門ごとの方針や戦略をそれぞれ踏まえたビジネスリーダーの思考や判断基準を、組織全体で効果的に活用できる環境を整備することが、意思決定の質とスピードを高める鍵になるという。
同社はこうした背景を受け、中小企業向けに“会社らしさ”や“社長らしさ”を反映した企業オリジナルAIを創り、育て、活かす伴走支援型サービス「AI社長」を2023年8月より提供してきたTHAと共同で、新たなエンタープライズ向けサービスとしてリーダーズAIを開発・提供することで基本合意したとする。
このリーダーズAIは、経営層に加え、企業内の事業リーダーや営業・企画・販売・開発など各部門で企業を牽引するリーダーの思考をAI化し、“理想のリーダー”を創って活用を深めていくAIサービスだという。
リーダーのAIを構築する際には、企業理念やIR情報、組織文化といった全社レベルの情報に加え、部門ごとに蓄積された戦略やマニュアル、そしてリーダー本人への深いインタビューを通じて得た情報を活用。完成したAIに対して社員は、日常的に使用するチャットツールからいつでも相談を投げかけることが可能となるといい、これまでには上司の時間や都合を気にして躊躇していた相談などについても、気軽に質問することが可能になるとする。
またリーダーのAIは、企業の価値観やビジョン・ミッション、あるいはそのリーダーならではの視点に基づき、具体的なアドバイスや判断の軸、思考を深めるための問いかけを返答するとのこと。社員はAIと対話しながら仕事を進めることで、より高精度の企画立案や迅速な問題解決が可能になるとした。
なお、リーダーズAIの開発においては、DeNAグループとして培った大規模サービスの開発・運営力を有するDALが事業主体となってサービスの提供・運営・開発を推進する一方で、THAはAI社長サービスを通じて培われたAI構築のコア技術(インタビュー、プロンプト、RAG技術)を提供し、経営者個人の思考・判断基準・企業らしさの反映を後押しするという。
DALの住吉政一郎代表取締役は、今回の発表にあたり、「THAが培ってきた技術・実績とDeNAグループのサービス開発・運営力を融合し、日本の大手企業が時間や場所の制約を越えて、リーダーの知見を組織全体で活用できる、そんな未来を『リーダーズAI』で実現していきたいと思います」とコメントしている。


