Kaspersky Labは11月20日(現地時間)、「What the dark web job market looked like in 2023–2025|Securelist」において、2023年1月から2025年6月にかけて実施したダークWeb求人市場の実態調査レポートを発表した。このレポートでは若年層を中心とした闇経済および犯罪エコシステムの内情を明らかにしている。
ダークWeb求人市場の実態調査
この調査はダークWeb上のフォーラム(アンダーグラウンドフォーラム)から収集された、2225件の求人関連投稿を分析したもの。これら求人はサイバー犯罪やその他違法行為に関連するものが大半を占めるが、一部は合法的な求人も含まれるという。レポートの概要は次のとおり。
- 2024年第1四半期の求人数は前年同期比で2倍に増加。2025年は水準を維持した
- 2025年は世界的なレイオフと若年層の就職難により、求職者数が求人数を上回った
- 求職者の平均年齢は24歳。10代の求職者が目立ち、若年層を中心とする実態が透けて見える
- 69%は希望分野を指定せず、詐欺からサイバー攻撃まであらゆる仕事を受け入れている
- 求人の内訳は、開発者(17%)、侵入テスター(12%)、マネーロンダリング(11%)、金融詐欺(6%)、フィッシング詐欺(5%)など
- 女性の求職者はコールセンター、技術サポートなどの対人業務を、また、男性の求職者は開発、金融詐欺、指示役、仲介業務を希望する傾向がみられた
- 給与はリバースエンジニアが最高額で月収平均5000ドル、次いで侵入テスターが同4000ドル、開発者が同2000ドルだった。各種詐欺師、マネーロンダリングは出来高制で、収入に対する割合報酬の傾向がみられた。これら報酬額の差は、犯罪エコシステムにおける希少性およびスキルの重要度が影響した結果と推測されている
未成年者のオンライン活動に注意
Kasperskyのアナリストは次のように述べ、以前「よりも犯罪意識が低下している現状を指摘。特に、技術力のある10代の子供を持つ保護者に対して警鐘を鳴らしている。
「闇の労働市場はもはや対岸の火事ではない。失業者、未成年者、そして優秀な資格を持つ人々を引き寄せている。多くの人がダークWebと合法的な市場は本質的に同じと考えて参入する。学位よりも実績のあるスキルが評価され、48時間以内にオファーが届き、面接が不要といったメリットさえある。しかし、ダークWebで働くことが刑務所行きにつながる可能性があることを認識している人はほとんどいない」
未成年者は興味本位でダークWebにアクセスすることがある。そこには、調査で明らかになった短期的かつ多額の報酬を約束する求人が存在し、資格や面接が不要なことも相まって、気軽に応募してしまうことが予想される。
このような求人で行われるサイバー犯罪は国境を超えて実行される可能性が高く、関与すると世界中の法執行機関の捜査の対象となり得る。未成年者は保護の対象となるが身柄引き渡しを求められるケースも予想され、取り返しのつかない結果に陥る危険がある。
Kasperskyはこのような可能性を回避するために、保護者に対して犯罪エコシステムの現状把握および被保護者のセキュリティ意識の向上に努めることを推奨している。企業や組織には、ダークWebの監視を通じた「影の経歴」を把握し、リスクのある人材採用を回避するように提案している。
