マカフィーは11月18日、「有名人を装ったディープフェイク詐欺に関する調査」の結果を発表した。同調査では日本を含む世界7カ国に在住する18歳以上の8600人に対し、偽造またはAIが生成した有名人の広告が消費者に与える影響について聴取している。レポートは日本の結果についてまとめられている。

若年層(18~24歳)は有名人を装ったディープフェイク詐欺にだまされる

調査の結果、日本人の38%が偽造またはAIが生成した有名人の広告を見たことがあると回答した。これらの広告は、「仮想通貨やさまざまな投資・取引プラットフォーム」(15%)、「無料プレゼントや懸賞キャンペーン」(14%)、「スキンケアまたは美容製品」(12%)、「ダイエット、またはフィットネスプラン」(11%)、「減量製品、またはサプリメント」(9%)、「ガジェット、または生活必需品であるデバイス」(7%)、「キッチン用品、または家電製品」(5%)などで確認されている。

また、回答者の7%は「有名人の名前や顔を使った偽の商品広告やプレゼント企画をクリックした経験がある」と回答。若年層(18~24歳)では14%が偽の広告をクリックしたと回答し、最も騙されやすい年齢層であることが示された。

25~34歳では8%がクリックしたと回答し、これらの年齢層で全体の平均を上回っている。なお、偽の広告をクリックしたと回答した高齢者はわずかで、55~64歳および65~74歳ではわずか4%だった。

65~74歳のうち79%が「そのような偽広告を見たことがない」と回答しており、18~34歳の55%と比べて大きな差が見られた。同社はこの結果について、広告が偽物であることに気がついていない人が多い可能性も考えられるとしている。

偽の有名人が掲載されたコンテンツをクリックした人のうち、3%が金銭または個人情報を失っており、被害者の平均損失額は11万5000円にのぼる。若年層(18~24歳)のうち偽の広告をクリックした人の5%が金銭やデータを失ったと回答しており、今回の調査から、最も被害を受けやすい層であることが明らかになった。

ディープフェイク詐欺はインフルエンサーを利用して幅広い年齢層を標的に

詐欺師たちは従来の有名人だけでなく、インフルエンサーやSNSの人気者をも悪用しているという。全体の14%がこのような広告を見たと回答しており、特に若年層(18~24歳)は38%が「見たことがある」と回答。25~34歳では24%だった。

一方で、55歳以上の年齢層の9割以上は、「そのようなコンテンツを見たことがない」と回答した。

外国の有名人が偽広告や有名人を装ったディープフェイク詐欺で悪用される

偽広告もしくはAI生成による広告で最も頻繁に見かけた有名人を挙げたところ、上位10名は以下の通りとなった。

・BTS(防弾少年団)のメンバー全員
・イーロン・マスク
・木村拓哉
・テイラー・スウィフト
・トム・ハンクス
・ジャスティン・ビーバー
・エマ・ワトソン
・柴咲コウ
・クリスティアーノ・ロナウド
・キム・カーダシアン