米OpenAIは11月13日(現地時間)、最新のAIモデル「GPT-5.1」のAPI経由での提供開始を発表した。GPT-5.1は、8月にリリースされたGPT-5の改良版であり、タスクの複雑さに応じて推論時間を自動調整する適応的推論(Adaptive Reasoning)による効率化、安定したコード編集を可能にする新ツールの導入など、AIエージェントワークフローの構築を念頭に置いた更新が行われた。

これまで高性能なモデルは回答生成前に内部で思考プロセスを走らせるため、簡単な質問でも待ち時間が生じることがあった。GPT-5.1ではこの推論フローが見直され、タスク難易度に応じて推論トークンをAIが自動制御する。単純なタスクでは思考にかかるトークン数を抑えて回答し、難易度の高い課題では推論と自己チェックを重ねて回答の信頼性を高める。

OpenAIによると、「グローバルにインストール済みのnpmパッケージを一覧表示するコマンド」を尋ねる平易な質問に、従来のGPT-5(Medium)が約10秒かかっていたのに対し、GPT-5.1(Medium)は約2秒で回答した。

  •  GPT-5.1は、GPT-5よりも思考時間をより動的に変化させる。推論レベルを「high」に設定した場合でも簡単なタスクをより迅速に処理できる

    GPT-5.1は、GPT-5よりも思考時間をより動的に変化させる。推論レベルを「high」に設定した場合でも簡単なタスクをより迅速に処理できる

また、新たに「推論なし」モードが設けられた。基礎的な知性・文法整形などは維持しつつ、推論を行わずに応答する。並列ツールの呼び出し、検索ツールの使用といったレイテンシ最優先のユースケースに適する。

コーディング支援も強化された。Cursor、Cognition、Augment Codeなどの企業と連携し、コード品質や指示追従性(steerability)、進捗のユーザー向け可視化を改善したという。ソフトウェアエンジニアリングのベンチマークテスト「SWE-bench Verified」では、GPT-5の72.8%に対し、GPT-5.1は76.3%のスコアを記録した。

また、開発者向けに2つの新ツールが追加された。「apply_patch」はコードの作成・更新・削除を構造化された差分形式で行う機能で、エージェントによるより信頼性の高い編集を可能にする。もう1つの「shell」ツールは制御されたコマンドライン環境を通じたシェル実行を可能にし、ビルドやテストなどの自動化に利用できる。

料金と提供形態

GPT-5.1はAPIのすべての有料ティアで提供され、価格とレート制限はGPT-5と同一である。

さらに、APIコストの抑制策として拡張プロンプトキャッシュが導入された。キャッシュ保持期間は最大24時間に延長され、長いチャット履歴や大規模コードベースを扱うセッションでのレイテンシ低減と費用削減が可能になる。キャッシュ済み入力トークンは通常入力より90%安いとされ、書き込み・保存に追加料金は発生しない。

現時点でGPT-5のAPIの廃止予定ははなく、廃止する場合は事前に告知するとしている。