竹中工務店は、宇宙での建築という新たな挑戦と、その暮らしを支える技術を紹介するイベント「宇宙のくらしをつくる建築展|Lunar Architecture by TAKENAKA」を、東京・港区の建築会館ギャラリーで開催する。会期は12月10日〜14日(各日10時~18時30分、最終日は17時まで)。入場無料だが、事前予約が必要。

  • 「宇宙のくらしをつくる建築展|Lunar Architecture by TAKENAKA」の展示内容のイメージ。(左上から時計回りに)「小型群ロボット」、「短期滞在モジュール」、「ルナタワー/ルナドーム」、「長期運用モジュール」

    「宇宙のくらしをつくる建築展|Lunar Architecture by TAKENAKA」の展示内容のイメージ。(左上から時計回りに)「小型群ロボット」、「短期滞在モジュール」、「ルナタワー/ルナドーム」、「長期運用モジュール」

竹中工務店は、宇宙建築タスクフォース(TSX:Takenaka Space eXploration)を2023年に設立しており、今回はTSXで取り組んでいる月面探査最初期の無人探査ロボットや、宇宙飛行士のためのベースキャンプ、民間スペシャリストのための長期運用滞在施設などを紹介する。会場となる建築会館ギャラリーの所在地は、東京都港区芝5-26-20 1階。

展示内容は以下の通り。

小型群ロボット

内闇府ムーンショット型研究開発制度國井プロジェクトを紹介。単純な構造の小型ロボットが複数の群を形成し、自分たちの電力や通信を確保する中継ステーションを運搬しながら探査するというもので、会場では実際に稼動するロボットたちを見られる。

短期滞在モジュール

竹中工務店では、月に人が滞在するためのベースキャンプとして構築される、最小の構造物をすばやく設営する「展開式着床機構」の研究開発に参画。2〜4人の宇宙飛行土が狭小閉鎖空間で生活できる滞在モジュールの内部設計や、設備設計、高密度緑化(植栽)計画を担っている。国交省スターダストプログラム宇宙無人違設革新技術開発、東京大学佐藤淳研究室との協業によるもの。

長期運用モジュール

宇宙飛行士だけでなく、民間スペシャリスト(建設業者や研究者)が月を訪れる未来を見据え、40人規模で長期運用する滞在モジュールを計画。JAXA宇宙探査イノベーションハブ次世代探査コンセプト検討活動ハビテーション領域への参加や、宇宙QOLに配慮した居住空間をTSX独自で検討している。

ルナタワー/ルナドーム

単体の滞在モジュールが完成した後、月面のまちづくりが始まる時代に、円形フレームを組み合わせた鉛直構造物(ルナタワ ー)を構築。長期居住のためのインフラとする構想を紹介する。クレーターや縦孔の中には、滞在拠点・研究拠点となる大型空間(ルナドーム)をつくり、 安全に活動できるようにすることをめざす。

宇宙関連技術

竹中工務店が保有する、 関連技術についてもパネル展示を行う。ISSでの実証実験を行った宇宙農場システムの構築のほか、健康建築をめざす「健築」、生体情報と位置情報を活用した空間評価ツール「GISTA」、デジタル視覚技術による空間シミュレ ーション技術「visiMAX」など、地上・宇宙の両方で有用な技術を紹介する。