ガートナーがデジタル関連テクノロジーの日本企業の導入状況を調査

デジタルの活用が企業の成長を後押しすると言われる一方で、すべての企業がそうしたデジタルツールを活用できているわけではない。日本の企業や組織がそうしたテクノロジーをどの程度導入しているのか、ガートナージャパンが10月21日、最新の調査結果を発表した。

IoTプラットフォームの導入率が30%を突破

Gartnerが2025年4月に従業員500人以上の日本の企業のITリーダーを対象に行った、デジタルの推進に関わるテクノロジーの導入状況に関する調査をもとにしたもので、それによると、デジタルの推進に関わるテクノロジーを提示し、回答者に「既にビジネスに導入している」あるいは「注目し、評価・検証を始めている」状況かを尋ねたところ、「既にビジネスに導入している」という回答が最も多いテクノロジーは30.3%の「IoTプラットフォーム (クラウド)」 で、前回の調査から約10ポイントの増加(20.9%→30.3%)を果たしたとする。

また、「サイバー攻撃や内部不正からの防御」が22/3%、「5G(通信事業者のサービスを利用)」が21.6%の2つのテクノロジーも2割を超す企業がビジネスに導入していることが示されたともしている。

  • デジタル関連テクノロジーの採用状況

    デジタル関連テクノロジーの採用状況 出典:Gartner(2025年10月)

導入までに時間がかかる背景

ガートナージャパンのバイスプレジデントアナリストを務める池田武史は、「IoTプラットフォームは、注目を集めてからすでに10年ほど経つが、ようやく3割程度の企業からビジネスに導入しているという回答が得られるようになった。すべてがつながることが前提となるデジタル・ビジネスのアイデアやテクノロジーへの注目は継続して高く、その評価・検証を進めているものの、成熟度を上げてビジネス導入を迎えるには時間を要している。その背景にはこうした取り組みが、AI、デジタル・ツイン、API連携、ワイヤレス、ロボット/ドローン、セキュリティなどさまざまなテクノロジーの組み合わせが必要であること、その評価・検証フェーズでは顧客やパートナーも交えた成果が求められることなどが挙げられる」と、導入までに時間がかかる理由について説明している一方、自社のプロセス見直しや最適化にとどまらず、顧客やパートナーも視野に入れた新たなビジネスのエコシステムの構築に注力し導入や評価を進める企業が、全体の半数ほど存在する結果も示されたともしている。

このほか、可視化や予防保全、顧客やパートナーとのAPI連携などの導入も増加の多い項目となっており、背景には、すべてがつながる社会への移行が広がり始めた可能性が示唆されるとしており、その理由として同氏は「それぞれのテクノロジーの成熟度が向上し扱いやすくなってきたことに加え、ここ2~3年の生成AIなどの進展が、新たな知性を駆使するAIをデジタルに積極的に展開するモチベーションとなっている可能性があることも挙げられる」とする。

なお、調査では現在の懸念や今後の期待についても質問が行われたが、回答者の7割近くがデジタル推進やイノベーションには経営陣の強力なリーダーシップが不可欠であるとの考えを示したという。また、これからのAIの進化によって、イノベーションが大きく加速することへの期待や、そうしたイノベーションがセキュリティのリスクと隣り合わせにあることへの懸念についても7割を超えた回答となっており、国内における多くのリーダーの共通認識となっている現状も示されたとのことで、池田氏も「いまだ発展途上にあるものの大きなインパクトをもたらしつつあるAIの進化への対応、そうしたテクノロジーを現実のビジネスに導入する際に懸念されるセキュリティ対策など、今後のチャレンジは山積している。しかし、経営陣や組織のリーダーには、加速するテクノロジーの進化にしっかり追従し新たなビジネス機会を逃さないために、自社のデジタル戦略の再点検を速やかに実施することが求められる」とコメントしている。