
9月25日から28日まで、千葉の幕張メッセで『東京ゲームショウ2025』が開催された。国内外の企業や専門学校などの教育機関が出展した。出展企業は過去最多の600社余り、総来場者数は26万3101人と歴代3番目に多かった。
ダウンロード型ゲームによるグローバル化に伴い、年々盛り上がりが過熱するエンターテインメント業界。さまざまな業種の企業がその可能性を見越して、今回ゲーム業界以外の企業出展も目立った。
歌舞伎などの演劇事業や映画事業を行う松竹も、ゲーム事業室を昨年から本格的に立ち上げ、今回初出展した。海外のゲーム企業と組み、その日本版の宣伝やマーケティングを担当。ゲーム『バックパック・バトル』の早期アクセス版は世界累計100万ダウンロードを記録し、ヒット作となり、事業室立ち上げから1年ばかりで大きな成果を生み出した。関係者は「今後もゲーム事業は伸ばしていきたい」と話す。
また、パルコも、「PERCO GAMES」として3タイトルの試遊体験を企画し出展。ゲームの開発支援からパブリッシング、マーケティング、二次展開までを一貫して手掛ける。小売業の強みを活かし、オンラインと実店舗を融合させた独自のプロモーションやメディアミックス展開を推進する。
家具・インテリア大手のニトリは、ゲームの開発を行っているわけではないが、ゲーマーが快適にゲームを行う空間づくりのための家具を販売している。
例えば人気ゲームの『ファイナルファンタジーⅶ リメイク』『モンスターハンターワイルズ』『ストリートファイター6』とコラボレーションしたゲームチェアや、高さ調節が可能な机など、長時間ゲームをしても疲れづらい商品を開発。新たな需要を掘り起こしている。
しかし、本展示会には業界トップの任天堂は不在。関係者によれば、数年前から出展はなくなったという。
世界のゲームコンテンツ市場は30兆円を超えた。市場規模は過去4年間で5割増と速いスピードで拡大が続く。この商機を捉え、各国、各業界からの参入や協業も今後、さらに増える可能性がある。