NTTデータは10月14日、日本電子計算と共同で提供するAIエージェント基盤サービス「つなぎAI(つなぎあい)」において、プラグイン機能や外部システム・アプリケーションとの連携を可能にする新機能を追加し10月末より順次提供を開始することを発表した。

「つなぎAI」はLangGeniusのLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)アプリ開発プラットフォーム「Dify(ディフィ)」にNTTデータと日本電子計算が日本企業に適した独自機能を追加し、サポートとセキュリティと合わせて提供するSaaS型のAIエージェント基盤サービス。

ユーザー自身で業務に合わせたワークフローを作成し、各プロセスの根拠や実行ステップを確認できる「プロセスエージェント」として、高い透明性と業務効率化を実現する。今回の機能拡張に加え、導入コストを抑えた新プラン「ベーシックプラン」のベータ版の提供も開始する。

機能拡張の背景

日本では人口減少に伴う労働力不足やIT人材の不足が深刻化しており、これらの社会課題を解決する手段として、生成AIへの期待が高まっている。その一方で、業務への生成AI導入には、専門知識を有する人材の確保や導入コストの負担といった課題も存在する。

こうした状況からNTTデータと日本電子計算は、誰もが簡単に高度なAIアプリケーションを開発できる世界の実現を目指し、2025年5月にAIエージェント基盤サービス「つなぎAI」アドバンストプランの提供を開始した。

NTTデータはAIエージェント同士が連携して業務を遂行するエージェント型AI基盤「LITRON CORE」も提供しており、「つなぎAI」がユーザーによる業務ワークフローの構築と個別業務の最適化を支援する一方で、「LITRON CORE」は複数のAIエージェントを統合的に連携させ組織全体での自律的な業務遂行を支援する。

新機能の概要

NTTデータと日本電子計算はユーザーから寄せられた「より高度なAIエージェント機能を活用したい」「手軽に導入したい」という要望に応えるため、「つなぎAI」の機能拡張および新プランを導入する。

機能拡張として、「つなぎAI」のベースとなる開発プラットフォーム「Dify」のVer1系に対応する。これにより、プラグインの導入やMCP(Model Context Protocol)クライアント機能による連携利用が可能となり、従来は困難だった複雑な業務プロセスの自動化や、高度なAIエージェント連携が実現しやすくなるという。

また、小規模導入を検討する企業向けに、10ユーザーで年間96万円から利用できる新プラン「ベーシックプラン」を新設。10月末からベータ版の提供を開始し、12月に正式版を提供開始予定。このプランはロール権限、認証認可、多要素認証などのセキュリティ機能を標準搭載しつつ、機能をシンプルに絞り込むことで、手軽に導入できる構成としている。

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