The New Stackは10月8日(米国時間)、「GitHub Will Prioritize Migrating to Azure Over Feature Development - The New Stack」において、GitHubが自社のデータセンターからMicrosoft Azureへ移行する計画だと報じた。現在取り組んでいる新しい機能開発を犠牲にしてでも、移行を加速させる方針だという。
リソースの増強は喫緊の課題
最近、GitHubはリソース不足やAIエージェントの影響によりサービスを停止する事案が増加傾向にある。公開されているインシデント履歴を確認すると、10月は9日までに3件、9月は16件と平均して2日に1回のペースで障害を引き起こしている。
これら問題解決のためにリソースの増強は喫緊の課題となっており、Azureへの移行は急務とされる。しかしながら、サービスのバックボーンを構成するベアメタルサーバー上のMySQLクラスターがAzureへの移行を阻み、今後さらに多くのサービス停止を引き起こす可能性があるとの懸念が伝えられている。
GitHubの最高技術責任者(CTO: Chief Technical Officer)を務めるVladimir Fedorov氏は、従業員向けのメッセージにおいて「AIを活用したワークフローの爆発的な需要増に応えるためには迅速な拡張が必要で、現在のインフラストラクチャは限界に達している」と述べ、リソース不足を回避するために緊急の移行の必要性を訴えたとされる。
24カ月以内にAzureへ移行することが明らかに
また、同メッセージの中で24か月以内にAzureへ移行する計画を明らかにしたという。The New Stackによると、この移行計画では前後6カ月間をバッファー期間とし、実際の移行期間は12カ月間とされる。十分な移行期間があるように見えるが、過去に一部サービスのAzureへの移行を試みた際は失敗に終わったとの指摘があり、これでも不安は拭えないと評価されている。
この移行計画について、一部開発者からGitHubの独立性を危ぶむ声が上がっている。しかしながら、既存のデータセンターの拡張は限界で、より重大なサービス停止を回避するためには受け入れざるを得ない。実質的にMicrosoftに統合する形となるが、安定したサービス継続のために今後2年以内の移行が敢行される見込みだ。
