Microsoftは9月17日(現地時間)、「Paint, Snipping Tool, and Notepad app updates begin rolling out to Windows Insiders|Windows Insider Blog」において、Windows Insider向けにペイント、Snipping Tool、メモ帳の最新アップデートを発表した。

対象となるのはWindows 11のCanaryおよびDevチャネルで、各アプリに新しい機能が追加された。

  • Paint、Snipping Tool、and Notepad app updates begin rolling out to Windows Insiders|Windows Insider Blog

    Paint, Snipping Tool, and Notepad app updates begin rolling out to Windows Insiders|Windows Insider Blog

プロジェクト保存からAI搭載まで、標準アプリの新機能

ペイントに、従来の画像編集機能に加えて、プロジェクトファイルの保存機能が導入された。これによりユーザーは作業中の作品を専用形式のファイルとして保存し、後から同じ状態で再開することができる。また、透明度を調整できるスライダーも新たに搭載され、ブラシやペンの表現幅が広がった。サイズ調整と組み合わせることで、陰影やレイヤー表現を滑らかに描き出せるようになった。

Snipping Toolには、スクリーンショットの編集を迅速化する「Quick markup」が追加された。従来はキャプチャー後に別の編集画面へ移行する必要があったが、この機能により選択範囲を確定すると同時に注釈や描画を行えるようになった。ペンや蛍光ペンに加えて、図形や絵文字の挿入も可能であり、選択範囲の再調整も柔軟に行える。さらに共有やBingのビジュアル検索、Copilotとの連携といったショートカットも加わり、作業効率が高められている。

NotepadにはAI機能が組み込まれた。対象はCopilot+ PCであり、Summarize、Write、Rewriteといった生成系の支援が利用できる。これらはサブスクリプションなしでもローカルモデルで動作し、契約者であればクラウドモデルとの切り替えも行える仕様だ。現時点では英語限定だが、従来のシンプルなテキストエディターに高度な補助機能が備わった点は大きな変化といえる。

Microsoftが示す標準アプリ改善の方向性

これらの改良は単なる利便性向上にとどまらず、創作から業務効率化まで幅広い用途に直結する。ペイントでは作品制作の自由度が増し、Snipping Toolでは即時的な情報整理や共有が強化され、メモ帳では思考の補助や文章作成の負担軽減が可能になった。いずれのアプリもWindowsに標準搭載される存在であり、その進化は利用者の作業環境全体に影響を及ぼす。

Microsoftはこれまで通りFeedback Hubを通じて利用者からの意見収集を行う姿勢を示している。今後もユーザー体験を基点とした改善が進められることが期待され、標準アプリ群の機能強化はWindows 11の価値を高める要素として注目される。