TISインテックグループのTISは9月17日、金融業界で稼働する基幹系システムのモダナイゼーション実施後のJavaプログラムに対して、生成AIを活用して仕様書を自動生成する生成AI仕様書作成オプションを提供開始することを発表した。

このオプションは同社の複数サービスを体系化した「金融×モダナイゼーション」のラインアップの一つとして展開する。モダナイゼーション後の仕様書がない場合や実態と乖離している場合でも、生成AIによってプログラムの意図や処理構造を自動的に整理できるようになり、保守や追加開発時の不安を軽減するという。

  • 生成AI仕様書作成オプションの提供イメージ

    生成AI仕様書作成オプションの提供イメージ

TISの「金融×モダナイゼーション」

TISの「金融×モダナイゼーション」は、同社がこれまで提供してきたモダナイゼーション関連サービスを、金融業界特有の課題に対応できるよう体系化したカテゴリ。このカテゴリでは、金融業界における資産の規模や複雑性に対応する、旧言語・旧処理形式を対象としたモダナイゼーションに加え、業務継続性や安全性を前提とするフロントエンドシステムの刷新、クラウド環境を活用した段階的なシステム移行支援など、金融業界の要望対応するサービスを組み合わせて提供する。

出力項目

「金融×モダナイゼーション」に新たに追加した生成AI仕様書作成オプションでは、プログラム解析を通して製造工程や単体テストにおいて特に重要となる6項目の情報を出力し、仕様書作成をサポートする。

作成結果はテキスト形式に加えて、フローチャートや表形式などを用いて出力され、直感的に処理の流れや構造を把握できる設計だという。これにより、既存のシステムに仕様書が存在しない場合でも、仕様を可視化できるようになり、プログラムの理解や保守対応の確実性の向上が見込める。

さらに、同オプションはエンタープライズ領域での活用にも耐え得るようセキュリティ面にも配慮され、LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)に機密情報が保管・学習されることがないようサービスを構築している。

  • 出力に対応する6項目

    出力に対応する6項目

生成AI仕様書作成オプションの特徴

社内検証の結果、生成AI仕様書作成オプションは従来の人手による作業と比較して最大で約60%の工数削減効果が確認されたという。実用性と品質を両立したドキュメントを提供し、運用の安定性や生産性の向上に寄与する。

フローチャートや自然言語による処理説明を併用することで、処理の流れや全体像を直感的に把握できるほか、処理の意図や前提条件も明示されるため、誤解のない正確な理解が可能だ。また、開発経験が浅いメンバーや非エンジニアの関係者でも把握しやすく、プログラム理解に要する学習コストを軽減する。属人化を防止し、誰もが同じスピードと精度で仕様を理解・レビューできる環境を整備する。

さらに、文体や表現形式を統一し、読み手によって理解のブレが生じることを防ぐ。そのため、関係者間でスムーズな意図の共有が可能。属人化の防止やレビュー時の確認漏れの抑制、後続工程(テスト・改修)における品質確保を実現する。

  • 仕様書のイメージ

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