ELYZAは9月9日、初のプロダクトとなる法人向け生成AI活用ツール「ELYZA Works」を提供開始することを発表し、記者説明会を開いた。このツールは生成AIを活用したアプリの企画・開発から現場での利用、その後の評価までの一連のサイクルをAIが支援する。

現場によるAIアプリ構築にAIが伴走

ELYZA Worksはやりたいことを自然言語で入力するだけで、自社専用の業務AIアプリをAIが自動で作成するサービス。従来はエンジニアやデザイナーなどプロ人材に依頼する必要があったアプリ開発を、AIが支援することで現場で進められるようになる。

作成したAIアプリはすぐにチーム単位で組織や社内に展開できるため、迅速にフィードバックが得られる。その意見を反映してアプリを修正し、さらに業務で使いやすいアプリへと改良できる仕組みとなっている。

  • ELYZA Worksの概要図

    ELYZA Worksの概要図

RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索環境生成)機能など社内のデータとの連携にも対応しており、自社固有の情報を参照させたアプリも作成可能。作成されたアプリは入力項目が明確なフォーム形式になっているため、スキルに関係なく、誰でも利用を開始できる。

【デモ】ELYZA Worksで出張申請アプリを作成

説明会では、経理担当者が社内からの国内出張に関する問い合わせに対応するために、AIアプリを作成する場面がデモ形式で披露された。

  • AIアプリ作成画面

    AIアプリ作成画面

まず、担当者は「国内出張に関する質問に回答してほしい」と作成したいアプリの概要を入力する。しかし、いくらAIでもこの文章からアプリを作るのは難しい。

そこで、より具体的な内容を確認するために「アプリの説明としては表現が曖昧です。より具体的に書くことで改善できる可能性があります」「想定利用者とターゲットに該当する情報が指定されていません」と、プロンプトの改善を提案する。

さらに、プロンプトの改善案として「人事部門のスタッフが日本の会社員向けに国内出張に関する規則や手続きについての回答に質問します」と、新しいプロンプトを提示する。担当者はこのプロンプトを活用して、より適切な指示をAIに与えられるようになる。

  • AIによるプロンプト改善の提案

    AIによるプロンプト改善の提案

改善したプロンプトと共に、出張旅費規程など回答の参照となるデータを入力すると、AIはこれに基づいた回答ができるようになる。これらの必要な情報を入力するだけで、AIがアプリのプロトタイプを作成する。

AIアプリのプロトタイプでは、テストデータもその場で生成されるため、アプリが想定通りに稼働するかをすぐに確認可能だ。下図の質問内容「初めて長期出張に行くことになりました。宿泊先の手配や経費の精算方法について教えてください。また、出張中の休日の扱いはどうなりますか?」というテキストは、AIが生成したものだ。

  • AIがテストデータ生成する

    AIがテストデータも生成する

テストデータを使ってアプリの挙動が確認できたら、特定のグループ内や組織全体にアプリを共有できる。

  • アプリをグループ内に公開

    アプリをグループ内に公開

トライアルでは年600時間の業務削減が期待できる例も

代表取締役の曽根岡侑也氏は、「すでに20社程度でトライアル的に導入を進めている。FAQや議事録は全部署で活用できるが、それだけでなく営業のレポート作成や、人事の労務リスクモニター、法務の契約書ひな形作成など、さまざまな部門で事例が創出されている」と紹介した。

  • ELYZA 代表取締役 曽根岡侑也氏

    ELYZA 代表取締役 曽根岡侑也氏

それらの事例においては、労務リスクのモニター業務において36協定違反などを報告するAIアプリは年間120時間相当、経費申請のチェック業務において申請との不一致を報告するAIアプリは年間360時間相当、営業ナレッジのFAQに対する質問と回答では年600時間相当の削減につながる例も見られたとのことだ。

  • ELYZA Works活用の事例

    ELYZA Works活用の事例

曽根岡氏は「ELYZA WorksはチームメンバーでAIアプリの利用状況や利用権限を管理できることに加え、大企業や行政、大手金融機関での利用にも耐えうるセキュリティ機能を備える。今後は、当社の研究開発によりエージェント機能などグローバルな最新の技術トレンドを迅速に搭載していきたい」と説明した。

  • ELYZA Worksの料金プラン

    ELYZA Worksの料金プラン