りそな銀行はAWS(Amazon Web Services)が提供する「AWS Outposts」を活用して、ファンドラップシステム基盤を刷新した。9月8日にりそなデジタル・アイと日本IBMが発表した。
銀行システムにおける本番環境へのAWS Outpostsの導入は日本初
両社は、りそな銀行が所有するデータセンター内にクラウド基盤を取り入れることで、金融機関としての高度なセキュリティを確保しつつ、クラウドならではの柔軟性、拡張性を確保し、今後のファンドラップの成長を支える次世代基盤を構築。銀行システムにおける本番環境へのAWS Outpostsの導入は、日本初の事例だという。
りそな銀行のファンドラップは、年金運用で培った長期分散投資のノウハウを活かし、顧客の中長期の資産形成ニーズに応える資産運用サービス。ファンドラップシステムは、りそなグループ内の金融機関のほか、信託代理店契約を締結した複数の地方銀行が利用している。
これまでのハードウェア、ソフトウェアの更新時期を迎えるにあたり、今後の販売網の拡大に対応し、かつ代理店である地方銀行に対する充実したサービスの提供ができるよう、安心・安全に使用できるシステムの構築を検討し、AWS Outpostsを活用したシステムの構築を実施した。
AWS Outpostsは、AWSの各種クラウドサービスを自社データセンター内で利用できるサービス。今回、AWS Outpostsを採用することで、りそな銀行のデータセンター内にクラウド基盤を設置することが可能となり、重要なデータは自社データセンター内に維持しつつ、柔軟性や拡張性といったAWSが提供するクラウドならではの利点を享受することが可能になるという。
また、AWS Outpostsが搭載しているAWS Nitro Systemにより、システム処理を行うシステム・リソースを分離してパフォーマンスを高め、ハードウェアとファームウェアを継続的に監視、保護、検証するためのセキュリティを強化するとのこと。
一時的にAWSリージョンにアクセスができなくなった場合でも、AWS Outposts内部のファンドラップシステムの稼働に必要なAWSサービスは稼働を継続するため、データセンター内のシステム全体の可用性は担保することを可能としている。
りそなデジタル・アイと日本IBMは、りそな銀行が定義するセキュリティ標準のもと、複数のAWSサービスを組み合わせて複雑なセキュリティ要件に対応し、ミッションクリティカルなシステムならではの可用性を確保しながら、りそなグループのオープンプラットフォーム戦略を牽いんする新しいシステムの構築を行った。また、稼働後の保守・運用も両社でで行っている。
りそな銀行は、データセンターとクラウドの双方の強みを活かした次世代のシステム基盤を構築することで、ファンドラップビジネスの成長に柔軟に対応できる体制を整備。りそなデジタル・アイと日本IBMは、今後もりそな銀行がファンドラップの代理店拡大や商品力を強化できるよう、継続的に支援していく考えだ。