Microsoftは10月14日(米国時間)、Windows 10のサポートを終了する。この日以降、Windows Updateを介したソフトウェア更新プログラムの提供は停止され、テクニカルサポートも受けられなくなる。
セキュリティ更新プログラムが停止されると、Windows 10の脆弱性は修正されなくなり、侵害されるリスクが高くなる。Microsoftは「鍵をかけてもドア枠が外れる状態になる」と表現し、セキュリティソリューションの導入では解決できないと伝えている。
そこで、すべてのWindows 10ユーザーがリスクを回避するために、Windows 11への移行が強く推奨されている。しかしながら、Windows 11には「最小システム要件」と呼ばれる従来のアップグレードよりも高い制限が課されており、また安定性に不安を感じるユーザーの多さも影響し、移行は遅れている(8月末時点のWindows 10のシェアは45.53%で、いまだに半数近くを占める)。
Microsoftはこの状況を鑑み、Windows 10からWindows 11への移行期間を延長する措置として、拡張セキュリティ更新プログラム(ESU: Extended Security Update)の提供を発表した。従来、このプログラムは個人に対して提供されることはなかったが、今回初めて個人にも提供が行われる。個人および組織のWindows 10ユーザーは、このプログラムに登録することで、セキュリティ更新プログラムの提供を一定期間、延長して受けることができるようになる。
すでに一部のユーザー向けに試験的な登録が開始されていたが、最近になり対象範囲が拡大した。筆者のWindows 10コンピュータも登録が可能となったので、ESUに無償登録する方法を紹介しよう。なお、この手順は筆者環境における事例であり、すべてのWindows 10 PCの登録を保証するものではないことをご理解いただきたい。
ESUの利用条件や種類を確認
ESUは個人向けコンピュータと組織向けコンピュータで条件や仕様が異なる。詳細は、次の公式Webサイトで確認できる。
- 個人向け:Windows 10、Windows 8.1、Windows 7 のサポート終了 | Microsoft Windows
- 組織向け:When to use Windows 10 Extended Security Updates | Windows IT Pro Blog
- 教育機関向け:Windows 10 end of support updates for education | Microsoft Education Blog
個人向けでは「Windows 10バージョン22H2を実行しているコンピュータ」に対し、次の3つの料金体系でESUが提供される。いずれも提供期間は2025年10月14日から2026年10月13日までとなる。
- PCの設定とアプリを同期する(無償)
- Microsoftリワード1,000 ポイントで引き換える
- $30USDを支払う
今回は唯一の無償の選択肢となる「PCの設定とアプリを同期する」を採用する。リワードや資金が余っているユーザーは他のオプションを選択することもできる。
Microsoftアカウントでサインインする
ESUの登録には有償無償にかかわらず、Microsoftアカウントが必要だ。「ローカルアカウント」ではESUの提供を受けられない点に注意してほしい。
Microsoftアカウントを所有している場合は、設定アプリからサインインすることで登録を開始できる。所有していない場合は今回の例のように、Microsoftアカウントを新規に作成する必要がある。
Windows 10の設定アプリには、アカウントとメールアドレスの作成を1度に行う機能がある。これを利用すると誰でも簡単にMicrosoftアカウントを作成できるはずなのだが、残念ながら筆者は生年月日の選択画面から先に進むことができなかった。不具合に遭遇した可能性もあるが、問題を回避するためにメールアドレスおよびMicrosoftアカウントは公式Webサイトから作成することを推奨する。
Microsoftアカウントを公式Webサイトで作成
Microsoftが提供するOutlookの無償メールアドレスは、「Microsoft Outlook (旧称 Hotmail):無料のメールと予定表 | Microsoft 365」の「無料アカウントを作成」ボタンから簡単に作成することができる。ボタンをクリックし、あとは指示に従うだけだ。
メールアドレスの作成を開始すると次の画面が表示される。説明がないため見落としがちだが、この方法でOutlookのメールアドレスを作成すると自動的にMicrosoftアカウントも作成される。今回はこのアカウントをそのまま使用する。
設定アプリを起動
Microsoftアカウントの用意ができたら、設定アプリを起動する。ホーム画面のユーザー名の下に「サインイン」ボタンが表示されているので、これをクリックしてサインインを開始する。もしも「Microsoft アカウント」のリンクが表示されている場合は、すでにサインインを完了しているので本章の作業は必要ない。
サインイン画面では先ほど作成したメールアドレスとパスワードを入力する。次にWindows 10のログインパスワードを入力する。
Windows Helloを設定
エラーが発生しなければ、Windows Helloの設定に移行する。エラーが発生した場合は、指示に従って回復を試みる必要がある。
「次へ」ボタンをクリックして、Windows Helloの設定を行う。今回筆者はPINコードを入力しているが、Windows Helloの設定状況や、接続しているデバイスによって表示が変わる可能性がある。
Windows Helloの設定を完了すると、Microsoftアカウントとデバイスのひもづけが完了する。Windowsからログアウトした場合は、作業を続行する前にWindowsにサインインする。
ESUの登録を開始する
Microsoftアカウントのサインインを完了したら、ESUの登録を開始する。設定アプリのWindows Update画面を表示すると、「今すぐ登録」ボタンが確認できるはずだ。ボタンが表示されていない場合は、ESUの展開対象となっていないか、またはESUの要件を満たしていない可能性がある。
「今すぐ登録」ボタンをクリックすると「拡張セキュリティ更新プログラムを有効にする」画面が表示される。「次へ」をクリックすると、登録方法の選択画面に遷移する。すでに設定のオンラインバックアップを完了している場合は選択肢の画面は表示されず、強制的に無償オプションを選択したことになる。
今回は無償の「PC設定をバックアップしましょう」のチェックを確認して、「次へ」をクリックする。クラウドへのオンラインバックアップの確認画面が表示されるので、問題がなければ「登録」ボタンをクリックする。しばらくするとバックアップを完了し、登録完了画面が表示される。
これでESUの登録は完了だ。2026年10月13日までセキュリティ更新プログラムの提供を受けられる。ちなみに、今回はOneDriveをアンインストールした状態で作業を行った。これまで「Windowsバックアップ」アプリを使用したオンラインバックアップが必要とみられていたが、実際は設定アプリ→「アカウント」→「Windowsバックアップ」→「自分の設定を保存する」を有効にして、Microsoftアカウントに保存するだけで登録できるようだ。
コンピューターの買い替えを悩んでいるユーザーや、移行できない事情を抱えるWindows 10ユーザーは、ESUに登録するだけで1年間の猶予期間を入手することができる。10月14日以降も安全なWindows 10環境が必要なユーザーは、ESUの登録を検討することが望まれる。










