
経済産業省は8月、メーカーと輸入販売事業者に自主回収とリサイクルを義務付ける「指定再資源化製品」の対象として、スマートフォンを含む携帯電話、モバイルバッテリー、加熱式たばこ機器の3品目を追加する方針を決めた。製品に内蔵されている小型リチウム蓄電池が廃棄処理の過程で発火する事故が多発しており、製品の適切な回収につなげて、火災を防止する。
経産省は、循環経済に関する政策を議論する有識者会議で方針が了承されたことを受け、意見公募を実施し、10月に政令を公布して製品を指定する。来年4月の改正資源有効利用促進法の施行に合わせて運用を始めることを予定する。
指定再資源化製品にはすでに、リチウム蓄電池などの密閉型蓄電池や、パソコンが指定されている。一方で、小型リチウム蓄電池を取り出すのが難しい一体型製品は義務の対象外だった。ただ、リチウム蓄電池を原因とする発火事故は増加しており、回収率の向上が急務となっていた。
環境省の調査では、2023年度にごみ処理施設などでリチウム蓄電池による発煙や発火事故は2万1751件に上った。リチウム蓄電池は強い衝撃や熱などに弱く、不燃ごみに混じったモバイルバッテリーなどが処理時の衝撃などで発火し、火災につながったとみられる。
追加指定により、メーカーは販売店などを通じて使用済み製品の自主回収や、リサイクルが必須となる。取り組みが不十分な事業者には、勧告や命令を出し、それでも従わない場合には罰金を科す。利用者に罰則規定はないが、回収への協力が求められる。
経産省は追加指定する製品以外にも対象を広げるかを今後検討する。例えばリチウム蓄電池を使うハンディーファン(携帯用扇風機)については、充電中に出火した事故も起きており、火災の原因や流通実態の調査などを踏まえ、指定が必要か判断する方針だ。