デル・テクノロジーズは8月25日、MASSホールディングスが「Dell PowerEdge XE」をベースとしてAI基盤を構築したことを発表した。これにより、顧客が美容・ウェルネスブランドとシームレスにつながるための顧客体験を向上させる新しいAI開発環境や、業務効率を高める内部ツールを開発しているという。

オンプレミスの技術により、AI生成画像の処理時間を2分からわずか20秒へと6分の1に短縮。リアルタイムでのデータ共有が可能となり、サービスの向上が期待されるという。また、オンプレミス環境への移行により、クラウドベース基盤と比較してコストを約80%削減している。

導入の背景

MASSホールディングスは日本の美容業界におけるディストリビューターであり、販売、マーケティング、eロジスティクスサービスを手掛けており、MiCOL、LifeKarte、Altairといったeコマースプラットフォームも展開している。同社はサプライチェーンやデジタルサービスについても管理し、顧客が求める製品を迅速に届ける役割を担う。

美容業界でのDXをけん引する企業として活動を推進し、革新的な技術の統合にも注力しているという。国際的な人材の採用をはじめ、生成AIを活用した新たな顧客体験の創出など、業界内でのさらなるイノベーションを進めている。

プロフェッショナル向け美容用品のオンラインショッピングサイトや美容サロン向けソリューションを開発する同社は、これまでは従来の消費者向け技術に依存していた。そのため、AI開発に必要なスケーラビリティと効率性が制限されていた。

今回「Dell PowerEdge XE」サーバを採用し、NVIDIA GPUを搭載した空冷システムを用いて要求の厳しいAIワークロードに対応している。

美容業界全体でのイノベーション推進

MASSホールディングスは最新のインフラを構築し、2025年秋にリリース予定の「ヘアカラーシミュレーションサービス」など、AIベースの顧客ツールの開発を進めている。このツールは、サロンの顧客が個別の画像シミュレーションを通じて、ヘアスタイルやカラーを視覚化できるようにし、没入感のある魅力的な体験を提供するものだ。

同社は顧客向けのアプリケーションに加え、AIを活用して約1万5000SKU(Stock Keeping Unit:在庫管理の単位)の需要予測を含む主要な業務機能を効率化している。ピーク時には同社の物流施設で1日当たり最大1万0000件の注文、商品数にして20万個を処理する際、新しいAIソリューションが効率を向上させている。

さらに、eコマースのレコメンデーションエンジンや、AI駆動型の内部問い合わせシステムなどのアプリケーションを試験運用中だ。これらの初期成功を基に、両社はAIソリューションを業界全体で採用可能な形に拡大し、美容サロンや業界団体向けにカスタマイズされたソリューションをグローバルに提供する計画だ。