安藤・間(以下、安藤ハザマ)とNTTは8月7日、建設現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向け、IOWN Global Forum検討チームのメンバーと共に、トンネル建設現場におけるIOWNを活用した施工管理の遠隔化・自動化について重点的に取り組むべき業務領域およびユースケースを策定し、満たすべき評価基準と共に取りまとめたドキュメント「Use Case and Technology Evaluation Criteria -Construction Site」がIOWN Global Forumにて正式承認を受け一般公開されたことを発表した。
このドキュメントでは、主に山岳トンネルをターゲットとしている。両社は今後、広範にパートナーを募るとともに、2026年3月までに開始予定の実証を通して、ユースケースごとの有効性や実装可能性の評価を進める。システムの設計および構築をする上で必要な考え方や確認すべき点をまとめた実装例(リファレンス実装モデル)を確立するとのことだ。
取り組みの背景
建設業界においては、生産年齢人口の減少や高齢化による労働力不足が進む一方で、自然災害の激甚化・頻発化や社会インフラの老朽化に伴い、工事量の増加が見込まれている。これらの課題に対し国土交通省により2024年に「i-Construction2.0」が策定され、業界全体で生産性向上に向けたオートメーション化が進められる。
トンネルの建設現場では、危険を伴う環境での作業やベテラン人材の減少といった課題を抱えており、崩落や事故の予兆をいち早く検知するデータ解析や、オフィスなど離れた場所から現場の管理や検査を実施する遠隔施工管理や遠隔臨場の取り組みが検討されている。
現場状況を正確に把握するためには、リアルタイムに多様なデータをやり取りする大容量かつ低遅延な通信が必要だ。現場やオフィス、データセンターなど多拠点間の接続や、過去の現場データの蓄積も活用したAIによる高度なデータ分析を行うための情報処理能力の確保も求められる。
しかし、トンネル建設現場においては、工事期間中のみ使用する仮設の通信設備に対して多くのコストをかけられない。また、従来通信を必要とする作業が測量データやカメラでの切羽(掘削作業の最前線)監視などに限られていたことから、ネットワークをベースとしたICT基盤の構築が進んでいない。
また、施工後の運用の段階に移ってから、定期的な点検を行い構造物の健全性を確認する必要があるものの、1万本以上のトンネルを点検するためには検査者が不足している。
両社の取り組みの概要
これらの課題を解決するため、安藤ハザマとNTTはIOWN Global Forumにおいて、パートナーメンバーと共にトンネル建設現場のオートメーション化の実現に向けたIOWN適用を検討するチームを立ち上げ活動を継続してきた。
トンネル施工管理の遠隔化と自動化に向けたシステム構築を推進するためのリファレンス実装モデルを作成するにあたっては、現状のトンネル現場における問題や課題をベースに取り組むべき業務領域を定め、最大1000キロメートル離れた施工者や発注者のオフィス、現場、データセンタなどが相互にIOWN APNで接続された構成において、早期に実現が見込める4つのユースケースを策定した。
今回、早期ユースケースをまとめたドキュメントがIOWN Global Forumにて承認され、一般公開に至ったとのことだ。
