Stack Overflowはこのほど、「Developers remain willing but reluctant to use AI: The 2025 Developer Survey results are here - Stack Overflow」において、2025年の開発者調査レポートを公開した。

この年次開発者調査レポートでは、開発者が使用している、または詳しく知りたいツールやテクノロジーに焦点を当て、欧米を中心とした世界中の開発者コミュニティーに関する重要な洞察を伝えている。調査の詳細なデータは「2025 Stack Overflow Developer Survey」から閲覧できる。

  • Developers remain willing but reluctant to use AI: The 2025 Developer Survey results are here - Stack Overflow

    Developers remain willing but reluctant to use AI: The 2025 Developer Survey results are here - Stack Overflow

AIの導入が進む一方、開発者の不満は増加する

レポートによると、AIツールは開発者を中心に導入が進み、現在では開発者の約80%がワークフローでAIツールを活用しているという。しかし、その普及とは裏腹に、この1年間で精度に対する信頼は約40%から約29%に低下したことが報告された。

その理由として最も多かったのが「ほぼ正しいが、完全ではないAIの応答(約45%)」で、デバッグに時間を取られることが信頼低下につながったとみられている。また、デバッグに時間を取られる場合、多くの開発者(約75%)はAIではなく人間を頼って解決する傾向も確認された。

ただAIの信頼性が低下する一方、学習目的でのAI利用は増加傾向にあることがわかった。過去1年間、開発者の約69%が新しいコーディング手法やプログラミング言語の学習に時間を費やし、そのうち約44%(昨年は37%)が学習にAIを活用したとされる。

これはミスの許されない実務と、理解のしやすさが重視された学習利用の違いがあらわれたものと推測される。実務では正確さが重要となるが、学習利用では補足説明のあるAIの解説が重視された可能性がある。

完全な情報源としてコミュニティの重要性が増す

開発者向けコミュニティサイトを運営するStack Overflowは、AI時代における自身の新しい役割について次のように述べている。

「Stack Overflowには新しい役割が生まれています。AIの生成コードに対して、人間が検証した真実の情報源として機能することです。開発者の約35%が、Stack Overflowへのアクセスの一部はAI関連の問題が原因と報告しています」

これは開発者の多くがAIの問題に直面し、人間にその穴埋めを求めた結果と言える。ソフトウェア開発ではわずかな誤りが脆弱性につながることもあり、「ほぼ正しい」情報では開発者を納得させることは難しい。

不正確な情報を生成する「ハルシネーション」はどの分野でも問題となるが、開発者への影響は大きく、信頼回復にはこの問題を確実に解決する必要がある。しかしながら、OpenAIのCEOであるSam Altman氏が「ChatGPTには虚偽情報を生成するハルシネーションの可能性がある」と述べたように、解決は困難とみられている。

調査でわかった2025年のトレンド

レポートでは、AIと開発者を取り巻く信頼関係以外にも、2025年のテクノロジートレンドについて洞察を語っている。AIに関する質問を追加したこともあり、AI関連の情報が多く取り上げられている。

人気のプログラミング言語としては、AI関連の開発に使用できる言語の利用者が増加した。Pythonは7ポイント増加、RustおよびGo言語は2ポイント増加している。また、AI関連のコーディング技術を学ぶ開発者も67%と過半数を占めた。

しかしながら、今年のトレンドの中心は「AI」とは言い切れないようだ。キャリアや業務の満足度に関する調査では、「自律性と信頼」、「競争力のある給与」、「現実世界の課題解決」が高く評価され、「AI統合」は下から2番目の評価となった。開発者は最新ツールよりも現実的な問題解決を重視しており、AIの導入拡大に対してAIを補完する技術と給与に注目する結果となっている。