楽天グループ(以下、楽天)と楽天モバイルは7月30日、楽天がエージェント型AIツール「Rakuten AI」の本格提供を開始し、楽天モバイル契約者専用コミュニケーションアプリ「Rakuten Link」に搭載し提供開始することを発表した。
なお、同サービスは専用Webアプリのベータ版でも提供しており、楽天IDに登録したユーザーは誰でも利用可能。
「Rakuten AI」の機能と特長
「Rakuten AI」は、楽天モバイル契約者専用コミュニケーションアプリ「Rakuten Link」に搭載し提供を開始。「Rakuten Link」では2024年10月よりチャット形式のAIサービスを提供しているが、自動で提案されるプロンプトとAIチャットを活用し「楽天エコシステム」内の横断的な検索をより手軽に利用できるようになった。
具体的には、ユーザーはテキスト入力や音声テキスト変換、または画像検索により問い合わせができ、さらにAIが生成する追加質問に対して複数のプロンプトから回答を選択することで、よりスムーズに求めている情報へアクセスできるようになる。
また、「Rakuten AI」の専用ウェブアプリ(ベータ版)はデジタルコミュニケーションにおいてさまざまなユーザーに対応できるように設計されており、AIチャット、複雑な思考によるAI検索、音声対話、翻訳、AIリーディング、コーディング、画像作成など、専門的なAI機能を提供する。
「Rakuten AI」は2025年秋に「楽天市場」にも導入し、機能改善および拡張を継続的に行いながら、「楽天エコシステム」内のサービスにおいて「エージェント型AI」の展開を順次拡大していくとのことだ。
「楽天市場」では統合された専門家エージェントを活用し、楽天が提供するEコマースサービスの利用状況から得られるユーザー属性や好み、購買傾向といった多様なデータを分析することで、一人一人に最適化された商品を提案するという。
楽天の「エージェント型エコシステム」構想
「Rakuten AI」は「楽天エコシステム(経済圏)」におけるユーザーの体験向上と日々の生活サポートを目的に設計されており、無料で利用可能。2025年秋には楽天が運営するインターネット・ショッピングモール「楽天市場」へ搭載予定。今後は「楽天エコシステム」内の各種サービスに順次導入し、AIエージェントをユーザーインタフェースとする「エージェント型エコシステム」を展開する。
「Rakuten AI」は「楽天エコシステム」のユーザーに向け、高度にパーソナル化された知的でつながりのある体験の提供を目指しており、「エージェント型エコシステム」構築において重要な役割を担うという。
楽天は「エージェント型AI」を活用し、主要サービス全体を横断するタスクを効率的に連携・調整し、一人一人のユーザーの好みに最適化したサポートを提供する。AIエージェント向けに最適化し、ブラウザ内と楽天アプリ内の両方でシームレスなアクセスを提供することで、「Rakuten AI」は「楽天エコシステム」へのメインのゲートウェイとして機能する。