NECパーソナルコンピュータが重さ1kg未満で世界最長のバッテリー駆動時間をうたう法人向けの13.3型Copilot+ PC「VersaPro UltraLite タイプVY」を発表した。7月30日に販売開始し、9月中旬に出荷を開始する。7月30日に都内で開催された発表会には、同社代表取締役 執行役員社長の檜山太郎氏ら関係者が登壇した。

  • VersaPro UltraLite タイプVY。JEITA 3.0測定時で約40.2時間(アイドル時)の駆動時間を実現した

  • 左から順にNECパーソナルコンピュータ 商品企画本部 本部長の森部浩至氏、代表取締役 執行役員社長の檜山太郎氏、執行役員 コマーシャル営業推進本部長の飯田陽一郎氏

NECの法人向けPCは新体制で販売。NECPCが一元管理する形に

NECパーソナルコンピュータ(NECPC)は、2011年に中国レノボとNECによる合弁会社「Lenovo NEC Holdings B. V.」が設立した際、それまでNECのPC事業を担っていたNECパーソナルプロダクツからPC事業を分離した会社として生まれた。その後、NECPCはコンシューマー向けPCを製造販売し、法人向けPCはNECが販売を担当する二重体制が長らく続いていた。

そして2024年10月にNECPCは、法人顧客向けPCに関する販売機能をNECからNECPCに移管することを発表した。移管は2025年3月末をめどに完了しており、2025年4月からはコンシューマー向けPCに加え、法人向けPCにおいても調達、生産、設計、営業、マーケティング、サービス、サポートなどをNECPC側で一元管理する新体制が組まれている。

  • NEC法人向けPC事業の変遷。PC-8001をはじめとするPC黎明期からレノボとのジョイントベンチャーまでを1.0、NECとしてDX事業などを進めた2.0、今回の新体制以降を3.0と位置付けた

  • 2025年4月以前・以降のビジネス向けPC販売体制の変化

  • NECパーソナルコンピュータ 執行役員 コマーシャル営業推進本部長の飯田陽一郎氏。飯田氏はNECPCで法人向け事業の責任者を務める

「世界最長」バッテリー駆動時間をうたう13.3型ノートPCが登場

今回発表された「VersaPro UltraLite タイプVY」は、新体制下で開発・製造される第1弾の法人向けPCだ。Windows 11搭載かつ重量1kg未満の法人向けノートPCにおいて、世界最長の駆動時間を実現したことが最大の特徴。具体的には、JEITA 3.0測定時で約20.1時間(動画再生時)/約40.2時間(アイドル時)のバッテリー駆動時間をうたう。

搭載プロセッサは開発コード名Lunar Lakeで知られる、電力効率のよいIntel Core Ultra 7 258V/256V、Intel Core Ultra 5 238V/236V/226V。Copilot+PCの要件を満たす13.3型ノートPCだ。

本体素材の一部が異なる通常モデルと軽量モデルの2種類を用意し、軽量モデルでは天板に頑丈かつ軽量な東レ製カーボン素材を採用するなどして1kgを切る軽さを実現した。バッテリーは74Wh容量のL、32Wh容量のSの2種類をそろえ、ユーザーが自分で交換できる設計を導入。バッテリー単体の別売も用意される。

  • VersaPro UltraLite タイプVYの実機。通常モデルと軽量モデルでは、底面の素材の違い(ABSかマグネシウムアルミ合金か)や液晶種類の違い(タッチ非対応かタッチ対応か)などで本体の重さが異なる

VersaPro UltraLite タイプVY ラインアップ

  通常モデル 軽量モデル
タッチパネル あり/なし あり
WWAN あり/なし あり
駆動時間(JEITA 3.0)動画再生/アイドル バッテリーSでタッチ対応:約8.8時間/約17.6時間
バッテリーSでタッチ非対応:約8.2時間/約14.6時間
バッテリーLでタッチ対応:約20.1時間/約40.2時間
バッテリーLでタッチ非対応:約18.7時間/約33.2時間
バッテリーSでタッチ対応:約8.8時間/約17.6時間
バッテリーLでタッチ対応:約20.1時間/約40.2時間
本体サイズ 299×214mm
重さ バッテリーS:約921g
バッテリーL:約1,031g
バッテリーS:約885g
バッテリーL:約995g
  • VersaPro UltraLite タイプVYのバッテリー部分はユーザーが着脱できるようになっている。最も劣化しやすいバッテリーをユーザーが好きなタイミングで交換することで、ユーザーに寄り添い安心感を提供するとのこと

  • 13.3型サイズながらキーボードは19mmピッチを確保

  • Windows 11搭載かつ重量1kg未満の法人向けノートPCで「世界最長」をうたう

  • VersaPro UltraLite タイプVYでロングバッテリーを実現できた要素

日本のユーザーに寄り添い課題を解決 - “攻めのPC”でシェア奪還を図る

世界のどこにもない、“日本ユーザーの課題解決にフォーカスした”という同機は、外出先におけるオンライン会議の増加や、消費電力の高いAIアプリの利用が増える中、顧客に寄り添いバッテリー切れに対する不安の解決を目指す。

バッテリー駆動時間を長くするためAIを活用したバッテリーマネジメント機能も導入。また、NECが開発した生成AI「cotomi」とのコラボレーションも検討している。製品に対する自信の表れとして、バッテリーが「1日持たなければ返品OKキャンペーン」も販売を開始する9月中旬ごろから展開予定だ。

  • 日本のユーザーをターゲットとした製品作りを実施。今回は移動の多い営業経営者を想定して開発した

今後の法人向けPCでは顧客担当制・窓口の一本化による営業体制や人材/販促への投資、案件獲得を最優先とした戦略実施のほか、「マーケットシェアを徐々に落としてしまった」というNECブランドの再強化を図っていくという。筐体はMIL規格に準拠したテストに加え、NEC独自の品質試験を30項目以上実施。また、約340カ所の保守拠点網を構築しており、十分なサポート体制も提供するとした。

NECパーソナルコンピュータ 商品企画本部 本部長の森部浩至氏はこれまで比較的“守り”の状態だったNECPCの法人向けPCを「攻めの商品作りへ転換する」と力強くコメント。市場の中で伸びているモバイルPCを積極的に手掛けていくほか、トラディショナルノートPCやデスクトップPCも含め「今後もとてもいい製品を考えている。攻めたいと思います」と意気込みをみせた。

  • NEC法人向けPCの今後の方向性。シェア拡大に向けブランドの再強化や案件獲得戦略を強化していく

  • 法人向けPCでも「攻めの商品作り」を進め、今後も意欲的な製品を投入