Windows Centralは7月29日(現地時間)、「Microsoft reveals a list of jobs about to be destroyed by AI|Windows Central」において、Microsoftが7月10日(22日更新)に公開した生成AIと職業との分析レポートに掲載されたAIの適用性の高い職業40種を伝えた。
Microsoftは、2024年1月から9月末までに収集したCopilotの実使用データ20万件(米国内、匿名化済み)を分析し、AIと職業の関わりについて分析を実施。分析は理解を深めるため、「一般的な作業活動(GWA: Generalized Work Activities)」、「 中間作業活動(IWA: Intermediate Work Activities)」、「職業(Occupations)」に分けて実施され、このうち職業について、概要が伝えられた。
なお、日本国内の職業に与える影響などについては、2024年に内閣府が「(PDF) 人工知能等の発展が労働市場に及ぼす影響に関するサーベイ」を公開している。
評価基準「AI適用性スコア」とは
Microsoftは評価の物差しとして、「AI適用性スコア」を定義している。これはAIの影響を数値化した評価基準で、「完了率」と「影響度」を指標とする。それぞれのおおまかな概要は次のとおり。
- 完了率 - Copilotを利用することで作業を成功裏に完了した割合
- 影響度 - Copilotがカバーした作業の割合
これらのうち一方、または両方の値が低い場合、作業全体に与えるAIの影響は低いと評価できる。逆に両方の値が高い場合、AIは作業を代替し得るほど高い影響力を持つことになる。
消滅しそうな職業40種
Microsoftの分析に基づく、今後消滅しそうな職業のトップ40(スコアの高い順)は次のとおり。
- 通訳者と翻訳者
- 歴史家
- 乗客係員(乗換案内など)
- サービス営業担当者
- 作家業
- カスタマーサービス担当者
- CNCツールプログラマー
- 電話オペレーター
- チケット代理店および旅行事務員
- 放送アナウンサーとラジオDJ
- 証券会社の事務員
- 農業および家庭管理学の教育者
- テレマーケティング業者
- コンシェルジュ
- 政治学者
- ニュースアナリスト、記者、ジャーナリスト
- 数学者
- テクニカルライター
- 校正者とコピーマーカー
- ホストとホステス
- 編集者
- 高等教育機関のビジネス教師
- 広報スペシャリスト
- デモンストレーターと製品プロモーター
- 広告販売代理店
- 会計事務員(新人)
- 統計アシスタント
- カウンターとレンタル店員
- データサイエンティスト
- 個人金融アドバイザー
- アーキビスト
- 高等教育機関の経済学教師
- Web開発者
- 経営アナリスト
- 地理学者
- モデル
- 市場調査アナリスト
- 公共安全通信員(緊急通報の電話担当者)
- 電話交換手
- 高等教育機関の司書(図書館員)
これら職種の多くは知識労働に分類されており、既知の情報提供、または情報変換が作業の多くを占める。このような職種はAIの代替性が高くなる傾向が示されている。なお、対面での応対が求められる職種については、専用端末を用意することで人間を代替可能と考えると理解できる部分がある。
スコアの低い職種40種も公開
Microsoftはこの一覧とは逆に、スコアの低い職種40種も公開している。ここでは詳細を避けるが、看護助手、機械オペレーターなど、物理的な接触を必要とする職種や、肉体労働系の職種がAIによる代替は難しいと評価されている。ただし、例外としてトラック運転手や機械監視員など、すでに代替が始まっている一部職種は確実に影響を受けるとしている。
この結論について、Windows Centralは、政府や社会が十分に備えていない場合、未知の結果をもたらす可能性があると警鐘を鳴らしている。現在のAIには信頼性の低さや、物理的な影響力の低さなど不完全な部分が存在することから、今すぐに危機につながるとは考えられていないが、これら課題が克服されるにつれ、社会に大きな混乱をもたらす可能性がある。
Microsoftは「これらデータが、特定の職業におけるすべての業務をAIが担っていることを示唆するものではない」とし、実際に仕事を奪うかはまだわからないと述べている。ただ、いずれにしても生成AIが仕事の形を変えていることは事実だと指摘し、その変化は理解する必要があると説明している。
