NTTドコモビジネス(旧 NTTコミュニケーションズ)は7月28日、京都府精華町で2025年8月より開始される自動運転バスの普及を目指す実証実験に参画することを発表した。
今回の実証は京都府、精華町、アイサンテクノロジー、奈良交通、同志社大学モビリティ研究センター、NTTドコモビジネスでコンソーシアムを組成し、総務省「地域社会DX推進パッケージ事業(自動運転レベル4検証タイプ)」の一環として、京都府内で自動運転バスの社会実装に向けて実施するというもの。
実証の背景
昨今は地域の公共交通において運行業務の担い手不足が深刻化しており、その対策として自動運転レベル4(特定の条件下において自動運転システムがすべての運転操作を実行している状態)の社会実装に向けた取り組みが全国で進められている。
京都府はこれまでも実証実験を重ねており、公共交通での自動運転技術の普及に取り組んできたが、社会実装に向けては運行コストや安全性の確保が課題となっていた。そこで今回、異なる地域で走行する複数台の自動運転バスを遠隔から一元的に監視することで、運行にかかるコストを低減しながら安全性を確保するための技術を確認する。
実証実験の概要
実証期間は8月29日~9月2日の5日間。「けいはんなプラザ」と「けいはんなオープンイノベーションセンター」を往復するルートで実施する。実証ではNTTドコモビジネスが提供する通信技術やAI画像解析技術とデータ連携システムを組み合わせて遠隔監視を行い、実用化に向けて有効性や課題を検討する。
通信は複数のモバイル回線を活用したボンディング(複数のインターネット回線を統合し高速かつ安定した1つの通信回線として利用する技術)により信頼性の高い通信環境を実現。ネットワークの品質に応じて画質などを調整可能な映像伝送も活用する。
画像解析技術として、AI画像解析を活用した乗客の転倒や車内の異常検知、AI画像解析の結果に応じた自動での優先度の高いタスクのアラート通知などを導入する。
さらに、データ連携システムである「intdash」を活用し、走行データや車載センサーの検知情報、AI画像解析の結果などの複数データをリアルタイムで遠隔監視システムに連携する。