Neowinは7月24日(現地時間)、「Report: Microsoft offers Windows 11 to unsupported PC not meeting requirement - Neowin」において、MicrosoftがWindows 11の最小システム要件を満たさないWindows 10 PCにアップグレードを提供したと報じた。
これはドイツのニュースブログサイト「Borncity」の報告を伝えたもの。ユーザーは強制的なインプレースアップグレードを避けるためにトラステッドプラットフォームモジュール(TPM: Trusted Platform Module)を無効にしていたにもかかわらず、Windows 11へのアップグレードが提示されたと報告している。
TPM バージョン2.0含むWindows 11の最小システム要件
MicrosoftはWindows 11の最小システム要件を公開し、要件を満たさないPCにはWindows 11をインストールできないとしている(参考情報:Windows 11 の仕様とシステム要件 | Microsoft Windows)。
この要件にはTPM バージョン2.0が含まれ、昨年12月にはゆずれない条件と明言している(参考記事:Microsoft「Windows 11最小システム要件は譲れない」と明言、TPM 2.0は必須のまま | TECH+(テックプラス))。
検出方法が変わったか?
ところが今回、Borncityに寄せられた報告によると、Intel 第8世代 i5プロセッサーを搭載する「Lenovo IdeaPad S145-15IWL (81MV014QGE)」を所有するユーザーは、TPMを無効にしていてもWindows 11へのアップグレードが提案されたという。このPC自体は要件を満たしていることから、報告が真実だとすれば、Microsoftは設定を無視して対象PCを検出したことになる。
Borncityではこの理由として、他のBIOS設定の影響や、アップグレード配信におけるバグの可能性などを挙げている。Microsoftの公式発表はこれまでのところ確認できておらず、故意によるものなのかバグなのか、わかっていない。
筆者の所有する古いWindows 10 PCでアップグレードが提示されるか検証したが、更新プログラムを一通り適用しても表示させることはできなかった。
過去の事案はバグの可能性
この件に関する興味深い情報として、Neowinは昨年12月に同様の事案を確認したことを伝えている。条件が今回とは異なるため同じ現象とは評価できないが、当時Microsoftは故意ではないと示唆する回答をしており、何かしらのバグによりアップグレードできた可能性がある。
ただ、このようにしてアップグレードしたPCが、今後どのように扱われるか定かでない点には注意が必要だ。Microsoftが安全でないと評価するとセーフガードホールドの対象となり、更新プログラムを受け取れなくなる可能性がある。最小システム要件を満たさないことがわかっている場合は、アップグレードが提示されても無視するか、Microsoftに相談することが推奨される。