矢野経済研究所は、宇宙関連機器世界市場の調査結果を発表。機器別や参入企業各社の動向などを調べたもので、2050年には78兆円規模まで同市場が成長すると予測している。

  • 宇宙関連機器世界市場規模予測

調査はロケットや人工衛星、それらに搭載される探査機などの関連機器を扱う宇宙機器関連企業を対象に、同社の専門研究員による直接面談(オンライン含む)と文献調査を併用して実施し、事業者売上高ベースで算出したもの。調査期間は2025年1月~3月。出典資料は同社が3月27日に発刊した「2025年版 宇宙関連機器市場の現状と将来展望」(A4 137ページ、27万5,000円)。

近年の宇宙開発分野は、中国やインドといったアジア諸国での研究開発が追随する状況となっている。今回の調査では、世界の各地域で開発されているロケットや人工衛星、それらに搭載される関連機器を対象とした、2024年の同市場(事業者売上高ベース)を17兆4,861億7,100万円と推計。今後も世界全体で研究開発が進み、市場の成長・拡大が期待できることから、2050年の宇宙関連機器世界市場は78兆円規模に成長すると予測した。

日本における宇宙開発については、「資金が限られているためにロケット打ち上げ機会が少なく、数を重ねての実証実験を行うことが難しい」と現状の課題を示したうえで、高い能力を持つ打ち上げ技術や、小惑星のサンプルリターンを完遂した探査機「はやぶさ」を生み出す技術力を持つことも挙げ、「他国にはない技術で宇宙産業を開拓していくことが求められる」としている。