Neowinは2025年7月19日(現地時間)、「Notepad is losing its focus - Neowin」において、Microsoftがメモ帳(Windows Notepad)の存在意義を見失っていると伝えた。
軽量なテキスト編集ツールとして広く利用されているメモ帳だが、ここ最近はAI導入やマークダウン対応など、本格的なテキスト編集ツールへと進化を続けている。Neowinの記者はこの進化について本質的には悪ではないとしつつ、本来の目的を見失っていると指摘している。
複数のメモアプリを提供するMicrosoft
Microsoftはテキスト編集ツールやメモアプリとして、Word、OneNote、Microsoft ジャーナル、メモ帳などを提供している。これらアプリには特長があり、本格的な書類の作成はWord、シンプルなテキスト編集はメモ帳などすみ分けができている。
しかしながらここ数年、メモ帳はユーザーの期待をよそに進化を続けている。スペルチェックの追加、AI機能の追加、マークダウン形式による書式の追加と高機能化が進み、Wordとの境界をあいまいにしつつある(参考記事:Windowsのマークダウン対応メモ帳、ついに一般ユーザーにも解放か | TECH+(テックプラス))。
ビジネスの視点から見ると、この進化は理にかなう側面がある。各企業が自社製品にAIを取り入れ市場での影響力を増す中、MicrosoftがCopilotを多くの製品に組み込むことは自然な流れだ。ただ、それがメモ帳に必要だったのかは議論の余地がある。
メモ帳の存在意義
Neowinの記者はこの進化の結果、メモ帳の重量級化を招き、さらには有料のAI対応で「Copilotの広告表示」が導入されたと批判している。また、このままではMicrosoftの広告宣伝ツールに進化するのではないかと警戒感をあらわにしている。
メモ帳の広告宣伝ツール化は現状では言い過ぎと考えられるが、起動してすぐ作業をはじめられる軽量かつシンプルな使い心地は失われつつある。設定で機能を無効にすることもできるが、さらなるWord化はユーザーの望むところではないと言えるだろう。