KPMGコンサルティングは7月22日、企業がインテリジェンス機能を実装し長期ビジョンを経営の基軸としながら機動的に経営計画などを更新し実現する「インテリジェンス経営モデル」の整備に向けた支援サービスの提供を開始したことを発表した。
サービスの背景
近年の企業を取り巻く経営環境は変化が激しく、経営計画の策定において企業が検討すべき要素は増加している。中期経営計画のように3年~5年先を見据えた計画を策定したとしても、初年度に前提条件が崩れてしまうケースも散見される。
そうした状況では、本来中長期的な企業の活動指針である中期経営計画が形式的かつ形骸化してしまい、逆に企業の成長を妨げ経営環境の変化への対応を遅らせる要因となる。
こうした状況に対しKPMGコンサルティングは、経営環境変化をいち早く察知し、的確な指針を示すための体制・ルール、運用・方法論を整備する「インテリジェンス機能の実装」に加え、企業が目指すべき長期ビジョンを策定しつつインテリジェンス機能から得られた変化を単年度計画に機動的に反映させていく「両極マネジメント経営体系の構築」を支援する。
また、両機能が相乗効果を最大化するよう、事業への影響を及ぼす可能性が高い要素を抽出し整理する「連動要件の埋込み」までをワンストップで支援することで、従来の中期経営計画に代わる、あるいは補強する経営の枠組みをデザインするとのことだ。
サービスの特徴
新サービスでは、外部環境やメガトレンドを分析する「インテリジェンス機能の実装」と、企業が目指すべき長期ビジョンの策定とインテリジェンス機能から得た情報を基に、取り巻く環境変化に対して機動的に計画に反映させていく「両極マネジメント経営体系の構築」を通じて、実効性の高い戦略立案と持続可能な経営体制の実現を支援する。
さらに、事業計画では、主要成果指標から関連要素を分解・モデル化することでキードライバー(先行指標)を特定するとともに、併せて上位要因をPESTLE(P:政治、E:経済、S:社会、T:技術、L:法、E:環境)分析することで、外部環境と計画の連携を可能とする。
インテリジェンス機能の整備においては、機能と体制・プロセスを整備しながら、企業の中期経営計画や事業計画などの策定時に外部環境分析やシナリオ作成を行い、これらをテンプレートとして活用する。
サステナビリティ経営や戦略リスク管理の枠組みと連動させることで、より実効性のある戦略立案が可能となる。必要に応じて外部の専門家の知見を取り入れることも、効果的なインテリジェンス機能の構築につながるという。
両極マネジメント経営体系の構築では、企業は長期ビジョンの策定にあたり、その目的と要件を整理し、ありたい姿や実現に向けた指針を明確する。一方で、ごく短期的な前提変化の兆しを捉え、社内外との円滑なコミュニケーションと成果へのコミットメントを適切に管理する枠組みを導入することで、激化する事業環境の変化に耐えうる持続可能な経営体系の構築を目指す。
企業のリスクマネジメント体制の見直しの一環として、戦略的なリスクに対応する体制の転換が求められている。その対策として、事業計画における主要成果指標を起点に要素分解・モデリングを行い、キードライバーを特定する。
これらのドライバーをPESTLE分析によって外部環境の動向まで抽象化することで、インテリジェンス機能と経営管理体系を連動させる。加えて、過去の業績の変動要因を分析し、影響がある項目を洗い出すことで、従来の計画に代わる、またはそれらを補強する新たな経営の枠組みをデザインする。