7月2日~4日、東京ビッグサイトで「第17回 CONTENT TOKYO(コンテンツ 東京)」が開催され、950社が出展した。マウスコンピューターは同展示会にブースを出展し、6月に発表したブランド初となるミニタワー採用の「DAIV KMシリーズ」など、新製品を初展示した。
新しいミニタワーケース採用の「DAIV KMシリーズ」を初展示
マウスコンピューターのブースでは、クリエイター向けPC「DAIV」ブランドを中心に展示。前月に発表した「DAIV KMシリーズ」は、一番目立つ位置に展示されていた。同シリーズをイベントで実物展示するのは、今回が初めてだという。
同社はこれまでグラフィックスカードの大型化を前提として、フルタワー型の「DAIV FX シリーズ」で、高性能な制作環境を提供してきた。昨今、ユーザーからコンパクトサイズのタワーPCを求める声が挙がっていたことから、「DAIV KMシリーズ」を発売することにしたという。
「DAIV KMシリーズ」採用の新しいミニタワーケースは、幅215mm×奥行き480mm×高さ381mmのサイズで、GeForce RTX 5070/AMD RADEON RX 9070などの最新グラフィックパーツを搭載することができる。フルタワーケースと比較すると、幅5mm、奥行き50mm、高さ144mm小さくなり、体積は約33%コンパクトになったという。
「DAIV KMシリーズ」はコンパクトになった分、内部パーツを効率的に冷却するため、ケース背面と上部から排出するエアフローになっており、本体上部に電源ボタンやUSB端子等のインタフェースを配置している。大型グラフィックスカード搭載時にはサポートバーにより、自重による歪みや経年によるズレ、脱落を防いでいる。
「もう少し小さな筐体を採用しているメーカーさんもあるかもしれませんが、弊社は品質を優先しており、自社の基準をクリアするように設計しているので、このサイズになっています。最近は、GeForce RTXの4000番台から5000番台にリプレースされるユーザーさんが増えています」と、マウスコンピュータ- 第一営業本部 営業推進部 早川瑞貴氏は語っていた。
同シリーズは、無線LAN規格「Wi-Fi 6E」に対応した無線LANモジュールを標準搭載するほか、Office 2024搭載モデルも選択できる。以前は、クリエイター向けPCといえばMacというイメージがあったが、最近はOffice 2024を使いたいという理由で、Windowsに乗り換える人も増えているという。
5月発表の16型ノートPC「DAIV Z6」は売れ筋モデル
「DAIV KMシリーズ」に加えて、5月発表のNVIDIA Studio認定の16型ノートPC「DAIV Z6」も展示されていた。同製品は、CPUにインテル Core i9-13900H、グラフィックスにNVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop GPU、32GBメモリ、1TB NVMe SSDを搭載するハイスペック仕様ながら、18.5㎜の薄さを実現。早川氏によると、現在の売れ筋モデルだという。
同製品は高性能なCPUとGPUの能力を最大限発揮させるため、真空、2.5mm厚のベイパーチャンバーと2本のヒートパイプを採用し、空間に封入した液体媒体による冷却する。さらに、89枚のブレードを備えた高性能ファンとの相乗効果で優れた冷却性能を実現する。こうした仕様から、同製品はデスクトップ級の性能を持つノートPCとして販売されている。
同社の「DAIV」シリーズの一部製品は、ディスプレイの縦横比が16:10になっているのも特徴の一つだ。
「一般のノートパソコンのディスプレイの縦横比は16:9ですが、DAIVの一部の製品は16:10です。そのため、アプリケーションでタスクバーなどを展開した状態でもフルHD相当の作業領域を確保して、作業をしやすくしています」(早川氏)
NPUを搭載する18型ノートPC「DAIV N8」
また、ノートPCとしては18型の「DAIV N8」も展示。このシリーズでは今年5月、24GBの大容量VRAMを搭載したGeForce RTX 5090 ノート用GPUとインテル Core Ultra 9 275HXを搭載した「DAIV N8-I9G90BK-A」を発表したが、展示ブースではその実物が展示されていた。
この製品は、また、AI処理を実行するNPUを搭載し、AI対応アプリの処理を専用のAIコアがアシストすることで、CPUの負荷を軽減している。
同社では、このノートPCを大容量なメモリと大きな保存スペースを必要とし、構造解析や大規模設計、映画コンテンツやゲーム制作に対応したクリエイター向けノートPCに位置付けている。
14型ノートPC「DAIV Z4」の新モデルが参考出展
そのほか、14型のノートPC「DAIV Z4」も展示されていた。同製品は、本体の素材に軽量かつ丈夫なマグネシウム合金を採用しており、薄さは19.5mm、重量は1.14kgと薄型軽量を実現している。
PC本体には高速なデータ転送、画面出力、充電に対応するUSB4とUSB Type-Cを搭載。75Whの大容量バッテリーを搭載し、動画再生時は約9.0時間、アイドル時19.5時間のバッテリー駆動が可能になっている。100WのPD充電器が付属しており、手持ちのスマートフォンなどの充電と兼用可能だ。
なお、「DAIV Z4」は、AMD製のCPUとGPUを搭載した新しいモデルが登場する予定で、参考出展されていた。新モデルでは、Wi-Fi 7が搭載されるという。