三菱HCキャピタルとMONET Technologiesは、宮崎・綾町が提供するAI(人工知能)活用のオンデマンド配車サービス向けに、AIオンデマンドシステムおよび車両を納入したと7月9日に発表した。
同町で同日7月9日に提供開始したAIオンデマンド配車サービスは、運転免許証を自主返納した高齢者の移動手段を確保することを目的としたもので、綾町に在住の70歳以上の人であれば無料で利用できる(町内の一部エリアを除く)。
4台の車両を使用しており、運行時間は平日午前8時45分~午後4時45分(土日祝、年末年始を除く)で、公共施設やスーパーマーケットといった124カ所に乗降ポイントを用意。MONETアプリまたは電話で予約でき、利用希望日の1週間前から乗車時刻の15分前までに予約する必要がある。運行事業者は綾町社会福祉協議会。
これまでは、高齢者や障がいがある人の移動支援サービスとして「外出支援バス」を約20年前から運行してきたが、運行日数や乗降ポイントの少なさ、電話のみの予約方法など、利便性に課題があったという。AIオンデマンドシステムを搭載した車両による先行実証が4月1日から行われており、今回正式にサービス開始したかたちだ。これにより、町内での移動が容易になり、さらなる利便性の向上が期待されるとのこと。
ソフトバンクやトヨタ自動車などが出資するMONETと、三菱HCキャピタルは、綾町へのAIオンデマンド配車サービス提供にあたり、以下の役割を分担している。
- 三菱HCキャピタル:オンデマンド用車両の調達
- MONET:乗車予約のためのスマホアプリ、予約状況とそれに応じた最適な運行ルートを確認できる運行管理システム、車両の稼働状況などを確認する管理者向けAIオンデマンドシステム
綾町、三菱HCキャピタル、MONETの3者は、今回のサービスの供を契機に、今後も高齢者をはじめとする多くの町民の生活のための環境構築を進めるとしている。