青山学院大学と富士通Japanは7月1日、富士通Japanが提供する、AIがキーワードから連想して関連性の高い図書を探すことができるクラウド型「Fujitsu AI 探索サービス」を青山学院大学図書館に導入し、運用を開始したことを発表した。

サービス提供の背景

野末俊比古教授(教育人間科学部)がリーダーを務める青山学院大学「革新技術と社会共創研究所」の「近未来の図書館と新しい学び」研究プロジェクトおよび富士通Japanは、図書館を中核とした新しい学習支援の創出を目指して2019年より共同研究を行っており、2023年にAIを活用した蔵書探索の技術を共同開発した。

「Fujitsu AI探索サービス」は、この蔵書探索AI技術をもとに富士通Japanが開発し、7月1日から提供を開始したサービス。

同サービスにより、探したい図書の明確なキーワードが分からなくても、日常的な言葉や文章を入力することで、AIが利用者の意図を捉え、関連性の高い図書を効率的に見つけ出すことが可能になる。

これにより、学生の主体的な学びを支援するとともに、図書館の利便性向上や利用促進に貢献する。

  • 2024年4月に開館したマクレイ記念館(大学図書館・情報メディアセンター)

    2024年4月に開館したマクレイ記念館(大学図書館・情報メディアセンター)

サービスの主要機能

同サービスは、従来のキーワード一致型の検索システムとは異なり、学習や研究のテーマ、またシラバス(講義内容)などをキーワードや文章で入力するだけで、AIが入力内容を解釈し、関連性の高い順に図書を提示する。

適切な専門用語や検索キーワードが分からない場合でも、探したい図書に近い言葉を入力することで、AIが関連する図書を瞬時に提示することに加え、結果の中から関心のある図書を選択すると、さらにAIが関連する図書を提示するため、容易に読みたい図書にたどり着くことができる。

これにより学びの入り口を広げ、特に初学者の学びを支援する。

また、青山学院大学の従来の蔵書検索システム(AURORA-OPAC)で適切な図書が見つからない場合に、AI 探索サービスへ誘導することで、学生の学びや探究心を途切れさせることなく、多様な図書との出会いを提供する。

  • 利用シーンと「Fujitsu AI 探索サービス」の特徴

    利用シーンと「Fujitsu AI 探索サービス」の特徴