Microsoftは6月28日(現地時間)、Windowsのサポートページ「要求と開示」において、Windows 10と11の性能を比較したベンチマークテストの結果を公表した。

同社は2024年に外部機関による調査の結果として、Windows 11の性能がWindows 10をはるかに上回ると宣伝したが、その際は具体的な数値の評価は公表しなかった。

  • 要求と開示|Microsoft Learn

    要求と開示|Microsoft Learn

Windows 10のサポート終了を控え、Windows 11の優位性アピール

今回、Microsoftが公表したWindows 10と11の性能比較結果は、2024年12月に実施した調査によるもの。一部の調査は外部のサードパーティーに委託し、その他はWindows パフォーマンス ラボが実施したという。

調査結果の概要は次のとおり。

  • Windows 11 PCは、Windows 10 PCよりもバッテリー寿命が最大2.7時間長い
  • Windows 11 PCは、Windows 10 PCよりも最大2.3倍高速
  • Windows 11 PCは、Windows 10 PCよりも最大3.2倍高速なWebブラウジングを提供
  • Windows 11 PCは、Windows 10 PCよりもMicrosoft Officeの生産性が最大2倍高い

Microsoftによれば、この結果は各項目で95%の信頼区間に基づいており、データの外れ値も考慮しているという。

Geekbench 6、Speedometerを利用

「2.3倍高速」と主張している総合的な処理性能は「Geekbench 6」によるベンチマーク結果に基づいている。Geekbench 6はCPUとGPUの計算能力も含むPCの性能を総合的に評価できるベンチマークツールであり、公平な比較結果が得られるツールとしてデバイスメーカーや技術メディアの間で広く利用されている。

一方、Webブラウジングの性能評価には「Speedometer」とEdgeブラウザを使用。SpeedometerはAppleやGoogle、Microsoft、Mozillaの各Webブラウザ開発チームが共同で開発しているベンチマークツールであり、多角的なテストによってWebブラウザの性能を可視化する指標となっている。

狙いはWindows 11への移行促進

マイクロソフトは性能差の一因がハードウェアの世代差にある点を認めている。Windows 11はハードウェア要件を満たさないPCへのインストールができないため、完全に公平な条件での比較は難しいからだ。ただし、これはWindows 11の性能が基盤となるハードウェアの性能に強く依存していることも示唆している。

Microsoftがこのタイミングで詳細な比較結果を公表したのは、Windows 10がサポート期限を迎える前にWindows 11への移行を促したいという狙いがあるからだろう。同社はさまざまな角度からWindows 11の優位性をアピールし、Windows 10から移行する理由を提供している。