Azoop(アズープ)社長CEO・朴貴頌が語る「旧態依然とした運送業界レガシーをスマートに変える!」

物流業界の「2024年問題」がクローズアップされ、昨年から様々な取り組みが行われています。ところが肝心の運送会社に危機感があるかどうかと言えば、まだ道半ばだと思います。

 昭和の成功体験を引きずり、旧態依然とした体質に大きな変革が生まれておらず、足元での人手不足や採用難、トラック1台当たりの空車率が約6割、個社の経営体質の改善など、課題は山積みの状態のままです。

「レガシーを、スマートに。」─。これが2017年に私が創業した当社のスローガンです。そして、これらの課題を解決し、利益を最大化させるプラットフォームとして立ち上げたブランドが「トラッカーズ」です。全国6万を超える運送会社に変革のお手伝いをしています。

 3つある主力サービスのうち特徴的なのがトラックなどの商用車のネットオークションサービスの「トラッカーズオークション」。これまで商用車の売買というと、売り手の会社が買取事業者に見積もりを依頼し、最も高い金額を提示した買取事業者に売却するという流れでした。

 しかし、「トラッカーズオークション」では、オートオークションの先にいる買取事業者と直接つながることができ、中間マージンを省くことで価格メリットを提供。さらに、複数業者への相見積もりの手間も不要となり、運送会社にとって大きな利便性を実現しています。

 また、従来のオートオークションでは出品されたクルマが本当に安全かどうかを一目で判断するのが難しいという課題もありました。ですから結果として「高く売りたいけど高く売れない」「安く買いたいけど安く買えない」という双方のニーズが満たされることはなかったのです。

 当社のトラッカーズオークションは、ここを丸ごと肩代わりします。このサービスは、これらの出品にかかわる手続きを全てオンラインで完結することができます。しかも当社の検査員が現地に赴いてクルマの状態を確認・検査すると共に、誰がいつ出品して、どれだけ使われたかといった〝クルマのカルテ〟もデジタル上で作成します。

 結果として、中古車が少しでも高く売れ、少しでも安く買えるようになるため、運送会社の経営体質の改善に寄与するサービスになります。実際に、売却益が他で売るよりも2~3割高くなった事例は多々あります。

 他には車両やドライバーの管理、配車計画、運行管理、請求書の発行など、日々の業務にまつわる情報をクラウドで一元管理するSaaSプロダクトの「トラッカーズマネージャー」があります。これにより管理業務を約70%削減できます。

 加えて車両ごとの収支を可視化したり、内部監査の項目も法令に則って整備されているため、運送サービスや点検といった経営の本筋に集中できます。

 最後に運送・旅客・産廃業界などドライバー不足を解消する採用支援に特化した物流専門人材採用支援サービスの「トラッカーズジョブ」です。登録者の6割が20~40代で、オンライン求人を通じて若手人材の採用を進めることができます。

 実は私自身、運送業界に身を置いてきました。父が経営していたトラック運送業と商用車流通業の会社で取締役を務めていました。そこで物流業界向けのトラックの売買における「情報をいかに伏せるか」という習慣に大きな違和感を覚えたのです。

 だからこそ、トラッカーズのサービスの基軸には「顧客ファースト」を置いています。デジタル化が進んでいない運送業界。その分、変革の余地は大きいのではないかと思っています。

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