理化学研究所(理研)計算科学研究センター(以下、R-CCS)とさくらインターネットは6月26日、教育活動を通じた計算科学分野およびデジタル・クラウド分野の拡大普及における連携協力に関する基本合意書を締結したことを発表した。

背景と今後の取り組み

R-CCSは2025年1月から開発・整備を進めているスーパーコンピュータ「富岳」の次世代となる新たなフラッグシップシステム(開発コードネーム「富岳NEXT」)を見据えて、2024年度から若手人材の育成活動を進めている。

一方のさくらインターネットは、2023年に国立高等専門学校機構と包括連携協定を締結し、デジタル人材創出を目的とした教育支援を実施している。2024年には「さくらのクラウド検定」を創設し、学生から社会人まで幅広い層へ向けたデジタル人材育成にも取り組む。

今回の基本合意書締結により、エンジニアをはじめとする人材および技術情報の交流やノウハウの共有が可能になるという。R-CCSは若手人材育成への取り組みを加速し、さくらインターネットはR-CCSが保有する計算科学分野の知見を基に教育支援コンテンツの内容を拡充する。

本件における主な協力事項

R-CCSとさくらインターネットは共同で、クラウドサービスおよびHPC(High Performance Computing)利用者向けのデジタルプログラム講座を開発。全国の高専生など、若年層の人材育成に活用する。

また、R-CCSの研究者および技術者がさくらインターネットの計算資源を使用し、さくらインターネットの技術者がR-CCSの「富岳」を使用することで得られるフィードバックを基に、学習利用や認知向上活動の活性化を目指す。

さらに、R-CCSの技術者がさくらインターネットへ、さくらインターネットの技術者がR-CCSへ出向またはクロスアポイントメントなどを活用して一定期間両者の業務に従事することで、クラウドサービスやHPCの運用に関する先端的な技術交流を促進する。