USEN&U-NEXT GROUPのTACTは6月19日、DX(デジタルトランスフォーメーション)コンタクトセンターサービス「AIコラボコンタクトセンター」の提供を開始することを発表した。
USEN WORK WELLが提供する生成AI「Buddy」と、TACTがこれまで培ってきたボイスボットなどコンタクトセンターDX支援のノウハウを融合させたサービスだという。「Buddy」がオペレーターのサポート役となることで、業務負担の軽減と応対品質、および効率の向上を支援する。
サービス概要
「AIコラボコンタクトセンター」はコンタクトセンター運営の支援を目的とするサービス。電話対応をはじめ、採用や人材教育、実際の運用、後処理業務まで、生成AIやボイスボットなどを活用して一気通貫でサポートする。
これにより、個別のソリューション導入や複雑なシステム連携といった手間が不要となり、運用負荷の軽減が見込める。TACTは同サービスを通じて運営コストの最適化とサービス品質の向上を両立させ、質の高い顧客サービスで企業のビジネス成長を支援するとのことだ。
サービス機能・特徴
「AIコラボコンタクトセンター」は「コールのDX」「ノンボイス・後処理業務のDX」「運用のDX」「人材育成のDX」の4つの観点でコンタクトセンターの自動化と効率化を支援する。
コールのDXでは、ボイスボットによる24時間365日対応や自動発信機能により、顧客の利便性を高めるとともに運営コストを削減する。さらにはボイスボットとの併用により、繁忙期や閑散期といった業務量の変化に合わせた柔軟な体制構築も可能となり、安定したコール対応が見込める。
ノンボイス・後処理業務のDXでは、音声のテキスト化や生成AIによる要約機能により、後処理・事務処理時間を削減。オペレーターの業務効率の向上に貢献する。
運用のDXでは生成AIを用いた社内ナレッジの自動作成やFAQ検索機能により、オペレーターの回答検索時間を短縮。顧客の待ち時間および総対応時間を削減する。また、有人による電話対応時にはAIがオペレーターをサポートすることで、常に一定以上の高品質な対応が可能だという。
人材育成のDXでは、ボイスボットやSMSを活用してオペレーター採用活動の効率化を図る。さらに、採用者へのフォローアップやAIによる対話訓練(ロールプレイング)などを通じて、研修コストの削減にもつなげる。安定した人材確保と早期の戦力化を支援する。
導入事例
TACTはこれまで段階的にコンタクトセンターのDX化を進め、効果を確認してきた。「コールのDX」では、従来は有人対応のみだった業務を有人スタッフとボイスボットを組み合わせたハイブリッド体制で支援することで、夜間や休日を含めた24時間365日対応を実現した。また、運営コストを約50%削減するなどコスト効率でも成果が見られた。
「運用のDX」においては、生成AIを活用したFAQ検索機能を導入することで、オペレーターは顧客からの質問に対し自然言語で最適な回答を瞬時に得られるようになり、回答検索時間を約30%短縮している。