
新たな労働力としての「高卒生」
国内では生産年齢人口の減少がますます深刻化し、あらゆる企業が採用に頭を悩ませています。この労働力不足にどう対応していくか、が企業にとって大きな課題です。その中で女性や高齢者、外国人に続く新たな労働力として注目すべき存在があります。「高卒生」です。
しかし、大卒の就職活動と違って高卒の就活は1950年代から変わっていません。例えば、最初に応募する企業を1社に限定する「1人1社制」が当たり前ですし、企業に関する情報も先生から紹介される紙の求人票など、限られた情報源からしか得られません。しかも、推薦してくれた先生や学校の手前、高校生が内定を辞退することは難しくなっています。
そのため、就職することができてもミスマッチが起こり、3年以内には約4割弱が辞めてしまいます。その上、20代半ばという若さでも再就職は難しいというのが実態です。それだけ「高卒」に対する世間のイメージや固定観念が変わっていないということでしょう。
日本の未来を担う若い人材をもっと輝かせたい─。私にはこんな思いがあります。早いうちから社会人となって経済力をつけることができれば20代で家庭を持つこともできるでしょう。少子化の歯止めにつながり、人生の選択肢も増えます。
当社は2015年から高校生に特化した就活支援サービスを提供しています。1つ目は職場の雰囲気を伝える動画や写真などを活用して、高校生の就職活動をトータルで支援するオンライン就職支援サービス「ジョブドラフトNavi」。2つ目が高校生と企業が直接交流できる国内最大級の合同企業説明会「ジョブドラフトFes」で、これは全国で展開しています。
Naviには現在約2000社を超える求人が掲載され、Fesには約1100社に参加いただいています。これは、当社が業界でもいち早く、高校の先生や、中小・ベンチャーを中心とした企業とのネットワークを構築してきたからです。
当社が上場したことで高校生の採用に対する考え方や習慣が徐々に変わってきたと感じています。更に高卒社会人の活躍の幅を広げるために、当社は「高卒第2新卒」の再就職支援のナビサイトの運営も始めました。
今は働き方や雇用形態が多様化し、職種も増えました。今後も当社は年間約20万人とも言われる高卒求職者の方々に、もっと幅広い職業の選択肢の提示やキャリア支援を通じて、更に社会に貢献できる企業を目指していきたいと思っています。