NECは5月28日、メールセキュリティ製品「Mission Critical Mail」(ソフトウェアパッケージ製品およびクラウドサービス)の新バージョンを同日より販売開始することを発表した。

新バージョンでは、送受信されるメールをコンテンツ管理プラットフォーム「Box」へ自動でアーカイブできる機能が追加されたほか、脱PPAPなどのセキュリティ対策強化として送信メールのメッセージやヘッダーを編集する際にも送信者の正当性を証明できる「Authenticated Received Chain(ARC)」に対応した。

販売価格は、「Mission Critical Mail Filter V1.8」が130万円(500 ID)から、「Mission Critical Mail Cloud」が個別見積となっている。

  • Mission Critical Mail 強化概要

    Mission Critical Mail 強化概要

新バージョンの強化内容

新バージョンの強化内容は以下の通り。

「Box」と連携したメールアーカイブ機能を提供

従来、セキュリティの懸念があるPPAPに代わる手法として、メールの添付ファイルをBoxへ自動格納することで、安全かつ効率的なファイルの共有・保管を実現してきた。

今回の強化では、新たに、送受信されるメール自体(本文、ヘッダー)もBoxへ自動でアーカイブできる機能を追加した。

これにより、Boxのセキュリティポリシーのもとで、日常業務のドキュメントとともに、重要なメールデータもBoxの検索機能やアクセス管理機能を利用しながら一元的に保管・管理でき、万一の問い合わせやインシデント発生時には必要な情報への迅速なアクセスが可能になる。

また、すでにBoxを利用している企業であれば、別途メールのアーカイブ専用サービスを追加導入することなく、Boxの活用領域を広げることで対応できる。

ARCへの対応

クラウドストレージ連携による脱PPAPなどのセキュリティ対策に伴い、送信メールのメッセージやヘッダーを編集する場合、従来のSPF/DKIM/DMARCによる認証が失敗し、正当なメールであっても迷惑メールと判定されるリスクがあった。

この課題を解消するため、送信経路上で認証結果を引き継ぎ、送信者の正当性を証明できる「ARC」に新たに対応した。

ARCは、重要なメールの到達率と信頼性を向上させる規格として、国内外の業界団体による推奨ガイドラインに組み込まれており、Google(Gmail)やMicrosoft 365(Exchange Online)をはじめとする主要プラットフォームでもすでに導入・活用が進んでいる。

「Mission Critical Mail」ではこうした業界動向をいち早く取り入れ、顧客のメール運用が国際的なセキュリティ基準に適合するように支援していく。