NTTデータグループは5月28日、データセンター事業を担うグループ会社であるNTTグローバルデータセンター(以下、NTT GDC)を通じて、大阪府に「大阪北データセンター」を建設することを発表した。2027年度下期よりサービス開始予定。

立地

データセンターは大阪府茨木市の災害リスクが低い海抜36.0メートルの平地に建設され、大阪市および伊丹空港から車で約30分でアクセス可能。利便性の高いエリアに位置している。

建物

施設は完成時36メガワットのIT電力容量を安定供給する。2027年度下期完成予定の第一期棟は地上3階建ての免震構造で、18メガワットのIT電力容量を約5000平方メートルのサーバルームに提供。

データセンターの国際基準Uptime Tier3およびJティア3相当の電力・空調・通信設備の冗長化、災害対策、充実したセキュリティを備えるほか、省エネ型の設備の充実により、サステナブルで安全なサービスを提供するとのことだ。なお、既に利用しているNTTグループ各社が持つ関西圏のデータセンターの拡張先としても活用可能。

最新技術への対応

同施設では、大規模AI基盤の実現に不可欠な複数のGPUを搭載した高発熱サーバや最新のラックスケールソリューションに対応した、高発熱高密度ラックの設置にも対応する。また、そのようなラック向けのDLC(Direct Liquid Cooling:直接液冷方式)など液冷技術の実現も可能だとしている。

さらに、NTTグループが推進するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)APN(All-Photonics Network)の実装を計画しており、グループ各社のデータセンター間やユーザーのデータセンターとの間でIOWN APN接続を行うことで、同施設を既存データセンターの拡張サイトとして利用できる。

サステナビリティへの取り組み

NTTデータは2040年までにネットゼロ実現を目指す「NTT DATA NET-ZERO Vision 2040」を策定し、グリーンイノベーションによる脱炭素社会の実現に取り組んでいる。2030年までにデータセンター、2035年までにオフィスなどを含む事業全体、2040年までにサプライチェーン全体の直接・間接排出量ネットゼロを目指す。今回建設する大阪北データセンターにおいても、ネットゼロを実現する体制を準備中。