日本製鉄は5月19日、東京大学を含む16者と共同で、カーボンニュートラル社会の実現を目的とした社会連携講座「未来エネルギーインフラ材料高度信頼性探求拠点(MEIT)」を設置し、5月1日より共同研究を開始したと発表した。研究期間は2030年4月30日まで。

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    社会連携講座「未来エネルギーインフラ材料高度信頼性探求拠点(MEIT)」ロゴ

講座の概要

同講座は東京大学大学院工学系研究科に設置され、運営期間は2025年5月1日から2030年4月30日までの5年間。研究では、水素やアンモニア、CO2など次世代エネルギーの貯蔵・輸送インフラに使用される材料の信頼性を科学的に解明し、その標準化を目指すとしている。

主な研究内容として、大型液化アンモニアタンクや液化CO2タンクの破壊評価技術および基準開発のほか、CCS(CO2の回収・貯留)向け高圧CO2導管の破壊防止基準の開発、大型液化水素タンク向け廉価材料の信頼性向上を図る。これらの取り組みを通じて、エネルギーインフラのコスト最適化や国際標準化を進め、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献するとしている。

共同研究の幹事機関として日本製鉄、神戸製鋼所、JFEスチール、日本海事協会の4者が東京大学とともに基盤運営を行い、すべての研究プロジェクトに携わる。そのほか、IHIプラント、INPEX、ENEOS Xplora、カナデビア、川崎重工業、JFEエンジニアリング、JERA、東京ガスネットワーク、名村造船所、日鉄エンジニアリング、日鉄パイプライン&エンジニアリング、三菱重工業が参画企業として参加する。

参画企業は各研究プロジェクトの計画策定や進捗管理を行い、国の研究開発事業への申請や規格化プロセスにも取り組む。また、共同研究によって得られた新知見は積極的に特許化を目指し、東京大学の学生と研究者間の交流促進を通じて、同分野における人材確保も狙うという。