Android Policeは5月15日(現地時間)、「Google Chrome now lets you copy and search text in scanned PDFs」において、デスクトップ版のChromeブラウザがPDF内のテキストをスキャンしてハイライト、コピー、検索できるようになったと伝えた。
この機能はOCR(光学式文字認識)技術を搭載しており、ユーザーは画像として保存されたPDF文書の内容を直接操作することができる。
スクリーンリーダーでの読み上げにも対応
通常、スキャンされたPDFは画像形式で保存されるため、テキストの選択や検索を直接行うことはできない。Chromeの最新のPDFビューワーでは、OCR機能を搭載することによってこの問題を解消した。これによってユーザーは、画像形式のPDFに対しても、テキストを簡単に選択し、コピーや検索することが可能となった。
画像形式のPDF文書は、視覚障害のあるユーザーにとっては一層厄介な存在である。テキストが認識できなければ、スクリーンリーダーが内容を読み上げることができないからだ。Chromeでは、OCR機能を搭載によってこの問題にも対処した。スクリーンリーダーがスキャンされたPDFの内容を簡単に読み上げられるようになり、視覚障害者を含む多様なユーザーがPDFコンテンツにアクセスしやすくなった。
この機能は、Chromeの最新バージョンに自動的に組み込まれており、ユーザーは特別な設定や拡張機能を追加することなく利用できる。
Android版ではページズーム機能が改善
さらにGoogleは、Android版Chromeにもアクセシビリティ向上のための新機能を追加している。
デスクトップ版のChromeでは、ページズーム機能を使ってページのレイアウトを変えずにテキストサイズを拡大できる。しかしAndroidでは、ズームに伴ってページのレイアウトも変わってしまうため、読みやすさが損なわれるという問題があった。
最新のAndroid版Chromeではこの問題に対処し、ズームインしてもWebページのレイアウトに影響を与えず、テキストサイズのみを拡大できるようになった。これにより、視認性が向上して読みやすさが改善される。
これらのアップデートは、Googleのアクセシビリティ向上への取り組みの一環として位置づけられている。OCR機能の導入やテキスト拡大機能の追加により、より多くのユーザーが快適にChromeを利用できるようになるだろう。