ソフトバンクがOpenAIらと進める5000億ドルのAIインフラプロジェクト「Stargate」が減速しているという。発表から3カ月が経過するが、進展が見られていない状況とのことだ。

「Stargate」を減速させるトランプ政権の関税

Stargateはソフトバンク、OpenAI、Oracleなどと1月に発表したAIインフラプロジェクトだ。4年で5000億ドルを投じるというもので、ソフトバンクは資金調達を担当、自社で全体の10~20%を出資し、残りは債券や融資でカバーする計画だ。ソフトバンクは社内のVisionFund内に20~30人のチームを結成しているという。

Stargate発表の前から進められていたテキサス州アビリーンに建築中のデータセンターは、進行しているとのこと。プロジェクトの下、みずほ銀行やJP Morganといった金融機関、代替資産運用会社と予備的な会合を持ってきた。

しかし、3カ月が経過した段階で、ソフトバンクは資金調達資料を開発しておらず、金融機関、プライベートエクイティなどと詳細な協議も持っていないという。

立ちはだかるのは関税だ。トランプ政権が打ち出す高い関税により、データセンターの建設コストは5~15%上昇する可能性があるという。それだけでなく、Microsoftなどのクラウド大手はデータセンターへの投資を見直している。

また、DeepSeekの登場により安価なAIモデルがOpenAIに与える影響なども懸念されているようだ。Stargate発表の直後、OpenAIと対立することが多いElon Musk(イーロン・マスク)氏は「彼らにはお金がない」とXに記していた。Bloombergが5月12日付で関係者の話をまとめている。