4月23日~25日の期間で実施された「第16回 EDIX(教育総合展) 東京」。同展示会は、学校・教育機関、企業の人事・研修部門など教育に関わる人に向けたもので、教育DX(デジタルトランスフォーメーション)につながる機器や授業で使える製品が紹介されていた。

同展示会において、ベネッセはグループ会社であるEDUCOM、Classiと共同でブースを出展。GIGAスクール構想における2回目の端末整備のタイミングと重なる2025年度の展示では、全国の小・中学校および高等学校を「学習」と「校務」の両面から総合的に支えるベネッセグループの商品・サービスの全体像を紹介していた。

ブース内では、ベネッセの学習支援のオールインワン教育ソフト「ミライシード」とEDUCOMの統合型校務支援システム「C4th」、さらに学習支援プラットフォーム「Classi」、学校の集金業務をオンラインで一元管理 オンライン・スマートフォンアプリ「tetoru」などを展示していた。

  • 展示ブースのイメージ

    展示ブースのイメージ

EDUCOMの統合型校務支援システム「C4th」

同ブースで展示されていた「C4th」は、EDUCOMがクラウドあるいはオンプレミスで提供する、全国の小中学校向けに先生の校務の効率化を支援する統合型校務支援システム。児童生徒・成績の管理、グループウェア・校務管理・保健管理といった機能を提供している。

  • 「C4th」の画面イメージ

    「C4th」の画面イメージ

同サービスでは、2019年にリリースした学校向けの児童生徒ボード(児童生徒情報を集約したダッシュボード)、学級ボード(学級の情報を集約したダッシュボード)に加えて、2023年に教育委員会向けのダッシュボード機能と学校向けの学校ボード(自校の情報を集約したダッシュボード機能)をリリースした。

「C4th」のダッシュボード機能は、学校向けと教育委員会向けの2種類がある。学校向け機能では、学校・学年・学級・児童生徒の単位で、「C4th」に登録されたさまざまな情報をサマリとして閲覧可能。出欠席や保健室利用の状況などで学校独自にアラートを設定でき、児童生徒の細かな変化をピックアップすることもできるという。

また、教育委員会向け機能では、自治体内の学校で登録された「C4th」上の情報を一目で確認でき、学校と教育委員会間の情報共有の手間を軽減することが可能。

加えて「C4th」は、小中学校向けICT学習ソフト「ミライシード」のCBT単元確認テストである「テストパーク」とのデータ連携機能をリリースしている。

「テストパーク」は、教科書の主要単元の確認テストを収録し、「ミライシード」上で小テストを実施可能にしたCBT単元確認テストのこと。

自動採点と即時返却により、先生のテストにおける業務負荷を軽減するとともに、児童・生徒のテスト後の復習効果の最大化を図り、学習効果につなげられるという。2024年度の機能開発・実証実験を経て2025年4月1日より提供を開始した。

これにより「テストパーク」上で受けたテストの結果が「C4th」の成績処理機能に自動連携され、先生方が結果を登録・転記する手間を削減することが可能になっているという。

  • テストパーク個人結果画面

    テストパーク個人結果画面

学校の集金業務をオンラインで一元管理できる「tetoru」

「tetoru」は、学校から保護者への連絡配信や、保護者から学校への欠席連絡などを効率化するオンライン・スマートフォンアプリ。

同アプリは公立のこども園、幼稚園、保育園、小中学校、義務教育学校、特別支援学校はすべて無償で利用することが可能で、自治体から保護者に向けた臨時休校の連絡や、学校・保護者間の連絡などが行える。

  • 「tetoru」の概要

    「tetoru」の概要

これまで学校に依頼して配信していたさまざまな情報提供や調査を教育委員会から直接保護者に配信できるようになったことで、学校現場の負担を軽減するとともに、保護者への迅速なコミュニケーションを実現している。

上記のサービスの内容に加えて、有料機能として「集金に関する連絡(自動通知や督促)」も行えるようにになったという。

保護者の入金忘れを防止しながら、未納時には迅速に通知を自動配信。学校徴収金の適切な管理と効率的な作業をサポートする。

  • 「tetoru」のサービスの内容

    「tetoru」のサービスの内容

さらに、C4thに登録された名簿情報(児童生徒・教職員)をtetoruへ自動反映する機能も備えており、この機能を活用することで、利用開始時の転入時・年度更新時の名簿登録・更新作業が不要になる。また、tetoruで受信した児童生徒の欠席情報をC4th上で確認することも可能。

子どもの心の動きを「天気」で可視化する「スクールライフノート」

スクールライフノートは、子どもが日々の気持ちや授業ごとの学びを4つの天気から選んで登録することで子どもの気持ちを可視化する、学校生活の振り返り支援に特化したシステム。

同システムは、心の動きの変化をとらえ、実際の表情・言動などもあわせて見ることで、より詳細に子どもの心を理解することができる。

「心の天気」と「健康観察の確認」という児童生徒の状態を心身両面からチェックすることが可能で、「相談機能」では子どもたちが教室では少し言いにくいことをシステムから伝えることができ、相談しやすい環境を作るサポートも行っているという。

  • 「スクールライフノート」 心の天気のイメージ

    「スクールライフノート」 心の天気のイメージ

さらに同製品は、2023年にGIGAスクール時代の学びのポータルを目指して大幅リニューアルを実施。

学習eポータル機能の実装により文部科学省の公的CBTシステムであるMEXCBTとの連携が可能となったことに加え、Google Workspace for Education とのSAML認証によるシングルサインオンを実現し、学校生活の中でより日常的に活用しやすい製品へと進化させているという特徴を持っているという。